【情報処理安全確保支援士試験(SC)】 相談に乗ります
できること
情報処理安全確保支援士試験とは
この試験を受けるのは何のためですか?次のような理由の方が多いのではないでしょうか?
- 会社から受けろと言われた
- 昇進・昇給に必要と言われた
- 応用情報の次に受けるといいと聞いた
これら理由がすべて受け身(他人契機) であることに気づきましたか?このような方はこの試験についてよくわかっていないと思うので、まずはこの試験について簡単に説明したいと思います。
安全確保という試験名からセキュリティのみに目がいきがちですが、実際にはネットワークの知識も同程度に必要です。これはネットワークを介した攻撃が多いためです。IPAのシラバスでもネットワーク分野はネットワークスペシャリストと同等のレベル4を要求しています。これらセキュリティ・ネットワークの知識を活かして、脆弱性の事前対策・事後対応を指揮できる人が情報処理安全確保支援士です。
他区分と大きく異なるのは、合格後に国家資格として登録が可能という点です。ただ登録や更新にはそれなりのコストがかかります。そのためか実は合格しても結構な割合の人が未登録です。例えば2024年度秋合格者(2615人)の場合、2025年4月1日付の登録者数は847人です。つまり登録割合は1/3以下です。ちなみに私も登録していません。合格後は半年に1回の新規登録にいつでも応募できるので、本当に必要になってから登録するスタンスの人が多いのだと思います。
IPAの試験は国語の問題と揶揄されることがあります。実際、専門知識的要素と国語的要素の両方があるのは確かです。ただ私は、情報処理安全確保支援士試験は専門知識的要素の比重のほうが大きいと思います。次のことを想像してみてください。あなたのマネジメント層がこの試験の午後問題を解けるでしょうか?「解けるわけないだろ!」と思ったのではないですか?(おそらく)あなたより国語が得意であろう人が解けないのなら、情報処理安全確保支援士試験はれっきとした技術者の試験(国語ではなく!)ということです。
学習の進め方
この試験に必要な知識は過去問を解いて身に着けるのが一番です。試験ごとの関連性が高いので、午前Ⅱ→午後の順にステップアップして進めるのが王道です。午前Ⅰも受験する方は試験直前(1~2週間前)に過去問を解いて詰め込んでください。それぞれの過去問を解く際に以下のことを意識・実践するのが重要です。
- 午前Ⅱ
- 知らない用語は調べて理解しましょう。正答だけではなく、不正解の選択肢についても調べましょう。
- 午後
- 問題文をよく読みましょう。問題文には前提・制約が書かれています。それら条件に対して、知識をどう適用するかが重要です。
- 3回分くらい解いたら苦手分野がわかると思います。その分野を後述の学習リソースを使って集中的に学習しましょう。
学習リソース
参考書
多くの人がまず最初に考えると思います。近年はChatGPTや解説サイト等ネットの情報が充実しているので、なくても同等のことが学べます。ただ時間の効率性や情報の信憑性などの観点から購入をお勧めします。様々な対策本が販売されているので、自分の好みで1冊決めればよいと思います。複数買う意味はありません。私はITECの重点対策を利用しました。
IPAのサイト
過去問のダウンロード以外に利用したことがない方が多いと思いますが、実はセキュリティに関しては専用ページに豊富な資料が存在します。例えば次のようなものがあります。
- 情報セキュリティ白書
- 毎年7月に発行されています。紙はお金いりますが、電子版(PDF)は無料で手に入ります。
- 情報セキュリティ10大脅威
- 社内のセキュリティ研修で聞いたことのある方もいるかもしれません。実はここで公表されています。
- 脆弱性体験学習ツール AppGoat
- 実務経験がない方にはお勧めです。XSSやSQLインジェクションなどを体験できるツールです。
ほかにも多くの資料があるので、興味があるものは確認することをお勧めします。
ネスぺイージス
ネットワークスペシャリストを対象としたものですが、情報処理安全確保支援士試験対策にも使えます。特に第10章ネットワークセキュリティは理解しておく必要があります。
ChatGPT
用語の解説レベルならほぼ正確に解説してくれます。わからない部分を掘り下げて聞くこともできます。利用しない手はないでしょう。また逆に自分の理解が正しいかどうかを確認するために、自分で用語の解説を書き、ChatGPTに添削してもらうことも可能です。こちらもほぼ正確に指摘してくれます。
私の経歴
ここまで読んでいただきありがとうございます。少しでもお役に立てたなら幸いです。
最後に私の経歴に軽く触れておきます。私は主にJavaによるWebアプリケーションに携わってきました。あるとき、あるプロジェクトのサポートをすることになりました。それは少人数で開発が進められており、1年以内のサービスリリースを目指していました。サポート初日、私はコードを見て、嫌な予感がしたため、実際に試すことにしました。入力欄にスクリプトを記入・送信した後、ある画面を開くと、登録したスクリプトが動作しました。そう、そのシステムには格納型XSSの脆弱性があったのです!!この出来事はまだ受験する前のことでしたが、セキュリティを意識する人がいないと、こんな基本的な対策でさえ漏れてしまうのかと衝撃的でした。機能にばかり目が行き、セキュリティが考えられていなかったのでしょう。その他のセキュリティ観点についてもレビューし、まとめて対策を施しました。1年後、そのサービスは無事リリースされました。
私はXSSを発見できたように、本試験の学習前からセキュアプログラミングの知識はある程度ありました。しかし過去問を解いてみると、電子証明書やネットワークの知識が不足しているとわかりました。それら不足知識を1か月ほど参考書でインプットし、その後、残りの過去問を解いて勉強しました。その結果、2023年度秋(午後1本化の初回)に合格することができました。
ご自身で学習の進め方を実践できる方は合格できるでしょう。ただ実際に1人で学習を進めるというのは、自分の意思に左右されやすく不安定で難しいものです。そんな自信のない方は一度ご相談ください。あなたの現状を整理し、具体的な学習計画・内容・方法等のアドバイスをいたします。また相談後、合格までの継続的なサポートをご希望の場合、別途専用プランをご用意します。サポート内容に応じて月額5千~2万円を考えています。