一言でマーケティングと言っても、実はB2BとB2Cでは顧客へのアプローチの仕方が大きく変わってきます。実際の業務では、特にB2Bのビジネスでこの違いが徹底されていない企業も多いという印象を受けています。その理由の一つに、世の中のマーケティング研修やマーケティングの教科書はB2C寄りのものが多い事が挙げられます。B2CのマーケティングをB2Bにそのまま当てはめてしまうと効果が出なくなってしまう可能性があります。

それでは、B2BとB2Cのマーケティングの違いとは何でしょうか?B2Bマーケティングの観点を中心に、いくつか挙げてみたいと思います。

顧客

まずは顧客です。B2CもB2Bも顧客は顧客と思うかもしれませんが、B2Cの場合は顧客は個人です。一方B2Bの場合は顧客は法人です。法人の場合、ほとんどのケースでは稟議というプロセスがあり、複数の人間が関わってきます。B2Cの場合は一人の人間に心の変化を起こして購買してもらうように導いていくのに対して、B2Bの場合は購買に至るまでのプロセスで関心事が異なる複数のステイクホルダーに納得してもらう必要があります。また、ITの場合はよくあるのですが、購買プロセスに関わる企業が複数存在するようなケースもあります。例えば、技術選定はシステム開発ベンダーが行い、実際に購入するのはシステム発注元の企業だったりします。

このように、B2Bの場合は単に購買プロセスを進んでもらうための仕組みだけでなく、どんな登場人物がいて、それぞれどんな関心を持ち、何を重視するかを考えてマーケティング施策を考える必要があります。

時間

購買に複数の人が絡むということは、購買を決定するまでに時間もかかります。B2Cの場合は早ければ一瞬で購買が決定されますが、B2Bの場合はそれぞれのステイクホルダーを納得させなければいけないので、時間もかかります。もちろん、B2Cでも数週間や数ヶ月かかるケースがないわけではないですが、B2Bの場合は長ければ1年以上かかる場合もあります。

そのため、マーケティング施策もタイミングを考えて行う必要があります。例えば、認知を取るための施策と、割引など購買を後押しするための施策を同時に行っても効果は薄くなります。

訴求方法

一般的にB2Cは感情に訴求し、B2Bは論理で訴求する事が効果的と言われています。これは必ずしも全てに当てはまるというわけではないですが、メッセージとしてどちらを重視するかという点においてはその通りです。B2Cでは多少金額が高くてもデザインが良かったり、話題性があったりという観点で購入する場合も多いかと思います。一方、B2Bでは複数の人が絡むからこそ、誰もが納得する選択が求められます。そのため、人の好みよりも論理的に説得力がある方が稟議が通りやす句なります。

他にも色々と細かな違いはありますが、最低限押さえておくべきはこの3つかと思います。特に、一番最初の複数の人が購買プロセスに関わる点は、さまざまな物事に影響を与えています。この点をしっかりと理解して、B2Bマーケティングを行う必要があります。