クリエイターにとってクライアントのちゃぶ台返しは頭の痛い問題ですよね。
事前に確認していたのに、契約していたのに、本人が言ったことなのに……。
どこからともなくステークホルダーが現れてちゃぶ台をひっくり返していきます。
ガシャン。
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──── 静寂 ────
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どうしてクライアントは後出しジャンケンをするのか? ちゃぶ台をひっくり返すのか?
その理由は月給制にあると思います。

日本では起業する人は圧倒的に少なく、学校を卒業したら新卒でなるべく名の知れた企業に就職し、上司の靴をナメナメ成り上がっていくのが王道のキャリアパスとされています。

また、仕事も最初からやりたいことをやらせてもらえません。
資質を視るためと称して、何年か置きに部署を転々とさせられます。
欧米のように仕事の遂行能力があるから配属されることはなく、日本ではなんでも卒なくこなすスーパーマン、あるいは平均マンになるために働きます。

その代わり、よほどのことがない限りクビはありません。
日本では我慢と長時間労働こそがキモなのです。
バックアップ人材とか余力といったことも無縁ですので、有給休暇なんてものは使えません。ワンオペです。

できなければサービス残業でお返しするしかないんですね。
1ヵ月我慢して耐えることができればお給料がもらえます。
毎月もらえます。月給制です。

月給制ということは、歩合制ではないので結果を残せなくてもまた次があります。
むしろ、月給制においては短時間で結果を残すと損になります。
仕事が早く終わったら帰宅しても良いのであれば皆効率化を考えるでしょうけれど、残念ながら日本ではできる人に仕事が集中します。
タスクが空けばどんどん仕事が差し込まれて来るんですね。
それが当たり前の世界です。

そういった土壌においては、工数積上げ式の見積りとの相性は最悪です。
工数積上げ式の見積りというのは、いわばタクシー料金のようなものです。
目的地までの距離×時間によってタクシー料金は変わります。
さらに停車して待機している間も料金は加算されます。

デザインでもプログラムでも、キモになるのは時間です。
どれだけ時間が掛かったか? あるいはどれだけ時間が掛かるだろうか? がキモになります。
なぜなら、存在しないものを創り出すには、どうしても時間軸が必要だからです。
そして、時間軸は凍結しないんですね。生身の人間ですから。

しかしながら、クライアントに提出した見積りは時間が凍結します。
見積り内容に変わりがなければ問題は小さいわけですが、見積り内容が変化すると当然見積り金額と実質開発費とに誤差が生じます。
にもかかわらず、日本の商習慣として見積額は凍結したままだったりします。
というより日本のビジネス自体が凍結して寒いわけです。

月給制のクライアントにとって、給料は凍結しています。
どんなに働こうがその努力は給料に直結しないからです。
毎月安定して振り込まれるものなんですね。

なのでその感覚でクライアントがプロジェクトに参加すると、プロジェクトが終盤に差し掛かって素人のクライアントでも理解できる形になると、改善と称して口を出してきます。
叩き台ができて見える化できたわけだから、「いよいよ私も参加できます!」「いいものを作るために私も全力で協力します!」となるわけです。

フリーランス側も月給制だと勘違いしていると、時間はたっぷりとあるわけだから一緒に改善していきましょう、となるわけです。
しかし残念ながら、予算という燃料は尽きかけているので、「御冗談でしょう……」となるわけです。

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