以下の記事が目に留まりました。

「変革なんかしなくてもやるやつはやるんだよ!!」という一言が組織を蝕む
https://thefilament.jp/incubation/5081

なかなか過激なタイトルですが.....まあ、見ていくとしましょう。

日本の大企業が新規事業創出に向かない理由
>新規事業でいきなり100億円の市場をいきなり生み出すのはすごく難しいです。一方ですでに5000億円規模の売上を5100億円に伸ばすというのはありうる。だから純粋に額だけで評価されるとしたらふつうは新規事業をやりたいなんて言わないんです。
だから、いろんなリスクを負いながら頑張って新しいこと(新規事業でもイノベーション創出活動でも)やろうと普通の人が思える環境がそもそもない。もしいたとしても変人扱いです。
身も蓋もないことを言います。
新規事業君、新規事業さんは諦めてください。
万人にお勧めできるものではありませんが、変人でないとできないことをやる機会は求めて得られるものではありません。
たまたま、そういうチャンスに巡り合えたことを御縁と感じることができれば、それは豊かな人生だと私は思います。

欲しいものがない時代にそれでよいのか?
>そもそも大企業内でスタートアップとのコラボ事業に自分のサラリーマン人生をかけようという人が少ない。
>合理的な選択ができる「優秀なサラリーマン」ほど旨みのない新規事業から距離を置く。そしてその結果、新規事業担当側の発言力が弱いせいで、コラボ先のスタートアップもそのうち白けてきて、うまくいかなくなってしまう。
まあ、身も蓋もない話です。
ですがね。自分のサラリーマン人生をかけることが高級なんですか?
私自身がやってないからという負け惜しみではありません。そこまでしないから悪いというわけではないでしょう。
キヤノン 御手洗社長が、20数年前、パソコン事業立ち上げを断念すると判断された際、プロジェクトメンバーたちが「自分はこれに自分の人生を賭けてきた」と訴えたことに対して、以下のように仰られました。
仕事に人生を賭けてはいけない。
奥の深いメッセージだと、今では、深いところまでわかります。
キヤノンがパソコン事業立ち上げを断念した数年後。奇しくも、私は東芝とキヤノンが共同で取り組んでいた新規事業立ち上げプロジェクトに参画していましたが、(事情は語りませんが)事業化断念に追い込まれる、新規事業おじさんの最大の挫折を経験しました。
それゆえ、御手洗社長の言葉に込められたメッセージが心に染み入るのであります。

「変革なんぞしなくてもやるやつはやるんだよ!!」という言葉に潜む猛毒
>この「変革なんぞしなくてもやるやつはやるんだよ」という言葉、本当にたちが悪い。事実を含むので相手方の若手は黙らざるを得ない。結果、議論はここで終了。そこでほとんどの若手はチャレンジ精神を折られ植物のように生きていく。それでも、ごくわずかの空気読まない若手がその後もチャレンジを続け、そのまたごくごく一部の人が成功したりもするかもしれない。
ずいぶんと過激なことが書かれています。私が新規事業君、新規事業さんに、お伝えしたいことは以下のことです。
「植物のように」なっても、「植物」にはならない。
働いているとですね。いろいろなことがあるんです。時と共に環境も変わるんです。
変化し続けられるものが強い。
この言葉を心の片隅に留めておくことが一番大事です。

(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)画像のタイトルを入れてください