新規事業おじさんのつぶやき Vol.151 新規事業を成功させる顧客インタビューの進め方
以下の記事が目に留まりました。
新規事業を成功させる顧客インタビューの進め方 ~顧客理解を深める4つの視点~
https://thefilament.jp/incubation/5785
では、4つの視点を見てみましょう。
1.課題が一般的、抽象的
>以前工場の生産性を上げたいという課題を解決するアイデアを持っているチームの支援をしたのですが、このチームがいざ課題を検証するインタビューをしようとしたとき、「『生産性を上げたいですか?』と聞くのって当たり前すぎて『からかってるのか!』と怒られそうなんですが、どう聞けばいいんでしょう?」と、相談されたことがあります。
>インタビューを行う前に、ご自分の課題仮説が “ターゲットの顧客「だけ」 が持つ仮説になっているか” を振り返ってみましょう。
これ、笑えないんですよね。結構な頻度で出くわします。私自身も課題仮説を絞り込めなくて、それでも、えいやっ!と突入したことも何度もありました。
そもそも、課題仮説を明確にできる状態は課題がわかっている状態なので、ここで苦しむことは仕方のないことと割り切って、立ち向かうしかありませんよね。
2.インタビューの詳しいシナリオを作ろうとする
>さて、課題仮説ができて、「よーし!インタビューに行こう!」となったときに、多くのチームはインタビューのシナリオ(スクリプト)を作ろうとします。確かに聞くべき質問を最初に決めておくと安心なことはわかります。大事な質問を忘れない、どの顧客にも同じ質問をするので、比較や分析がしやすいというメリットがあります。
>でも、一回でもインタビューを経験した方ならお分かりだと思いますが、インタビューが事前に作ったシナリオ通りに進むことはまずありません。
あ~っ!!と思わされました。私自身も何度もやらかしました。
だけど、シナリオを準備することは大事でもあります。その上で、シナリオに囚われない。なかなか難しいですが、これを意識することです。
3.相手のことを知らずにインタビューをしている
>インタビューの前には事前のリサーチが大事です。B2Bであれば顧客の業務内容、提供している商品サービス、取引先、競合製品など、できるだけ調べておくようにしてください。Webでちょっと調べればわかることも知らないでピント外れな質問をしてしまうと、顧客はあなたの本気度を疑ってしまい、インタビューは失敗します。
>事前のリサーチはデスクトップリサーチで十分です。ただし、インタビュー先が自社の顧客である場合には、どんな取引をしているのかはちゃんと把握しておいてください。そんなことも知らずに来たのか!と不快に思われてインタビューがうまくいかないのはよくある失敗です。
リサーチは大事です。これはきちんとやりましょう。
それでも、初めての業界の方々にお話を聞きに行くと、知らないことだらけで圧倒されます。
でも、それで良いのです。そうやって、知見を蓄積していくものなのです。
4.他社の製品を紹介するなんて言語道断と考えている
>通常の営業活動では競合製品を顧客に紹介するなんてことはありません。でも新規事業の顧客インタビューではこれはアリです。そもそも既存の商品で解決してしまうのであれば新たな製品を出す意味はありません。たまたま顧客がその商品の存在を知らなかった場合でも、皆さんがそれと正面からぶつかる商品を出せば、その競合会社は全力で立ち向かってきます。先行しているというのは凄い強みであり、マーケテイング、営業、顧客サポートの仕組みやノウハウにしても、生産のノウハウにしても、先行している会社は新規参入の会社に対して圧倒的な強みを持っています。
なので、この段階で競合製品では解決できない課題を見つけ出すことが大事で、そのためには競合製品のパンフレットとかWebサイトを見せて、これはどうですか?と聞いてしまうのはどんどんやってOKなのです。
これは見落としがちなポイントですね。私もはっとさせられました。
(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)

