以下の記事が目に留まりました。

コマツ、リクルート、ライオンの実践者直伝!「モノ」の終点が「コト」の起点、新規事業はどのようにして生まれるのか?
https://diamond.jp/articles/-/322710

本稿では、3社の事例が紹介されていますが、ここでは、コマツの事例に注目して見ます。

>「どれだけ売ったか」といった取引量の管理ではなく、顧客に「コマツがいないとビジネスにならない」と思っていただけるような関係性を高めていこうというものです。そのため、マーケティング部門は顧客が抱えている課題を常に見る習慣がついています。

これはなかなかできないことなのですが、これが習慣化しているところは素晴らしい会社ですよね。

>一方で、ICT建機という「モノ」を顧客の現場に入れてみたものの、実はあまりうまくいかないケースが多くありました。我々は現場をよく知っているつもりでしたが、それは我々の製品が使われるプロセスの部分だけだったのです。

>仮にその部分だけモノで最適化したとしても、それは部分最適にすぎません。コマツの機械が使われる一つ前のプロセスでボトルネックがあった場合、現場全体の生産性が上がらない。今さらながら、それに気付いたのです。

>我々は反省しました。やはり、ものづくりの会社はどうしてもモノから顧客を見てしまう。だから一度、モノから離れようと考えました。

これだけ、顧客課題に対する感度を組織レベルで高め、掘り下げている会社でも、こういう反省が出てくるということは知っておいてよいでしょう。事程左様に課題に迫ることは難しいのです。

>昨今、開発現場では、小単位で実装とテストを繰り返す「アジャイル開発」とよくいわれますが、我々はアジャイルにするしかなかった。とにかく現場で見つけたものを一つ一つ、100点満点ではなくてもいいので、10点でも20点でも、なるべく早く顧客の課題を解決していくことを目指しました。
これも顧客の課題に迫り、深く掘り下げるために重要なアプローチです。一つ一つ、早く実行し、積み重ねることが大事です。

>施工現場では、ベテランの現場監督が目で見て、頭で考えて、大体の進捗を把握する。それをバックオフィスにいる管理者にメールや電話で伝え、管理者が頭で考えて指示を出す。その全てが担当者の経験知で進められていたという事実がわかりました。現場、生産活動、施工の全体が全てデジタル化されて忠実に再現されたとき、このプロセスは大きく変わってきます。

現場の経験知に迫ることが課題解決につながるということです。ここにたどり着くまでの苦労は計り知れないものがあったことが想像されます。

いかがでしょうか。新規事業開発において重要な「課題に迫る」ということへの気づきを得られたでしょうか。

(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)画像のタイトルを入れてください