これを知ってればよかった!20以上のWebサービスを失敗してわかった!サービス開発のツボ
スキルシェアサービスMENTAを開発しております入江と申します。これまでに20個くらいはWEBサービスやアプリをつくってきましたが、そのうち成功したものはごくわずか。
今回はその知見をもとに、10年前の自分が「これを知っときゃよかった...」というような内容を、全ての個人開発者に届け!という思いで書いていきます。
ほとんどのサービスが失敗に終わった
これまでにいろんなサービスやアプリを作ってきました。
顔文字搭載のtwitterクライアント、営業回りの際にランチを探せるもの、CDアルバム順にyoutubeでPVを探して自動再生するもの、エゴサーチ、アプリの検索サービス、文章構成ツール...など、数々のサービスやアプリを作ってきましたが、ほぼ失敗しています...。(失敗例はこのあと、いくつか紹介します)
アイデアドリブンではなく課題ドリブンでつくる
「このサービス、他にないんじゃない?」
「これができたら便利じゃん」
「このアプリ、絶対流行るわw」
思いついたら、とりあえずつくっていました。
...でもこれは失敗する確率が高い。
なぜならターゲットやニーズを深掘りできていないから。
上のようなアイデアベースではじめると、誰も使わないサービスをつくってしまいます。完成してみたら、誰もユーザーが見向きもしない。これほど悲しいことはありません。
まずは課題から。自分が日常の中で不便だなー、こうだったらいいのに、という小さな種を見つけて改善するためのアイデアを考えていく、という順番です。みずからの課題ではじまるサービスは原体験があるし、自分で使うため、的をはずしにくい。
どうしても、アイデアからはじめる場合は、ターゲットになるユーザーにヒアリングは絶対に必要です。こんなサービスをつくろうと考えているんですが、使ってみたいですか?と。その時にはモックアップもセットに。モックアップがないとイメージがわかず、うまく伝わりません。
技術先行でつくらない
新しい技術を試したくて作ったものは全部失敗しました。
例えばMoving Goalというスマホアプリをつくった失敗例を。これはスワイプでゴールネットにシュートを打つというゲームでした。Unityを勉強して覚えた技術を試したくてつくったものです。数十人に使われて終了...。たぶん、つくるのに1ヶ月はかかってます。
実績としてはいいのでしょうが、使われるプロダクトにはならないでしょう。
自分が使いたいものをつくるのが一番確率が高い
自分が課題だと感じてはじまったものは、ニーズを知っているし、どんな物を作ればいいかも明確です。ユーザーにヒアリングしなくても知ることができるので強い。自分で使ってアップデートしていけばいいだけです。
唯一プチ成功した、CLOUD PAPERというクラウド見積請求書サービスがあります。現在も約15万円ほどを稼いでくれます。
これは自分用に作った請求管理システムを誰もが使えるようにしたものでした。
フリーランスになった当時エクセルで見積書や請求書を作っていたのですが、これがとても不便。過去の見積を探し出すのが大変でした。クラウドで管理すれば検索も売上集計もカンタン。例え利用者がいなくても使い続けたであろうシステムです。
自分のためにつくったのに使わなかった
一方で自分向けのサービスをつくっても、結局使わなかった、ということもあります。
例えば、CycleLogというスマホアプリをつくりました。自転車にのって移動した距離や時間を記録するためのアプリで、開発には2ヶ月以上かかったと思います。
これは完成して自分で使ってみたけど、すぐに使わなくなりました。つくったけど「使ってみたらなんか違うな・・・」ということはよくあります。問題はその段階でリリースしないこと、モヤモヤを解消してワクワクできる次元でリリースすることです。
作った本人も使わないものなんて、他の人が使うわけがありません。
10人のユーザーがいれば十分
個人開発だと集客できない、ということをよく聞きます。でも、最初は10人でも使ってくれるユーザーがいれば十分です。そのユーザーさんを大切にして、使ってもらった感想を聞いて改善していくこと。ここが大事です。
10人くらいなら、知人やネットでターゲットになるユーザーさんにコンタクトをとって使ってもらうことはできるはず。
熱狂的に使ってくれるユーザーさんがいてくれれば、だまっていても自然に広がります。逆に大手が広告費をかけてだしたサービスで最初は集客できたとしても、使われなくなっていくサービスは山ほどあるのです。集客の問題ではないことに気づくべきでしょう。
フィードバックを大事にする
個人開発でユーザーの声を直接聞けるのは強いモチベーションにつながります。利用しているユーザーのリアルな声をきけば、改善につながります。
だから気軽にフィードバックしやすいように全画面にフィードバックボタンつけるようにしてます。これは、結構、フィードバックが集まります。
実際、リリースしてフィードバックをもらったときが一番モチベーションが上がるし、前のめりで改善したくなるものです。
サービスをつくるのって楽しい
なんだかんだ書いてきましたが、サービスを成功させるのは難しい... でもサービス作るのって楽しいんですよね。
僕自身、サービスだけで生きていこうとしていますし、個人開発者をエンパワーメントする場所として「入江開発室」というオンラインコミュニティも運営しています。
知らない誰かが使ってくれるのを見るのが楽しすぎてやめられない。自分で課題をみつけてビジネスモデルをつくって、それをつくれるんです。個人でも。
個人から世界をよりよくするサービスがどんどん生まれていくと、もっと元気で楽しい世の中になっていくと思っています。