アルバイトとして入社した会社で、1週間後にマネジメントを任されました。
その後、26歳で執行役員になり、いまは事業の統括をしています。

特別な能力があったわけではありません。
振り返ると、やっていたことは1つだけでした。

■ やっていたのは、集計と提案だけ

最初の仕事は、端末の在庫管理と発送、返却品の検品でした。
誰がやっても同じ結果になる作業です。

そのなかで、お客様からの問い合わせ内容を記録し、
どんな内容が多いのかを集計して、改善案を添えて提出していました。

頼まれた仕事ではありません。
ただ、同じ質問が何度も来ることに気づいたので、
それを数えて、減らす方法を考えて出しただけです。

それが、マネジメントを任されるきっかけになりました。

■ 任される人と任されない人の差

この経験から言えることが、3つあります。

【1】「気づいたこと」ではなく「数えたこと」を出す

「問い合わせが多い気がします」と言っても、何も起きません。
「先月の問い合わせ120件のうち、48件が同じ内容でした」と言うと、話が動きます。

上司が動けないのは、判断材料がないからです。
数えるだけで、判断材料を渡せます。

【2】問題を出すときは、案を添える

問題だけを持っていくと、それは上司の仕事が増えるだけです。
案があれば、上司は「やる」か「やらない」を決めるだけで済みます。

案の質は低くて構いません。
叩き台があるだけで、会話の速度がまったく変わります。

【3】頼まれていない範囲に、少しだけ出る

指示された仕事を完璧にこなす人は、その仕事の担当者として評価されます。
指示の外側に少しだけ出る人は、次の仕事を任される候補になります。

大きく出る必要はありません。
自分の担当業務のすぐ隣、影響が見える範囲で十分です。

■ 任されたあとに困ったこと

正直に書くと、任されてからのほうが大変でした。

自分でやれば30分で終わることを、人に頼むと2日かかる。
しかも仕上がりが自分のイメージと違う。
最初は、結局自分でやり直していました。

これは完全に間違いでした。
やり直した瞬間に、相手は「自分がやる意味がない」と感じます。

やるべきだったのは、出来上がったものを直すことではなく、
何を作ってほしいのかを、渡す前に具体的に言葉にすることでした。

この切り替えに、半年かかりました。

■ 若いうちは、動き方ひとつで景色が変わります

能力の差が開くには何年もかかりますが、
動き方の差は、翌週から結果に出ます。

数えて、案を添えて、少しだけ外に出る。
それだけで、任される側に回れることがあります。