目標を分解するとき、最初に決めるべきは「追わない数字」です
目標が決まったあと、多くの現場でまず起きるのは「見る数字を増やすこと」です。
ダッシュボードに指標が並び、週次で全部を確認し、
どれも少しずつ動いているが、何が効いているのか分からない。
この状態に見覚えがある方は多いと思います。
原因は、分解の粗さではありません。
追わない数字を決めていないことにあります。
■ 数字は、追った瞬間に仕事を生む
ある数字を週次で見ると決めた時点で、
集計する人、見る人、説明する人が必要になります。
数字が10個あれば、その作業が10倍発生します。
しかも、動いていない数字ほど「なぜ動かないのか」の説明を求められます。
本来なら見なくてよかった数字が、時間を奪っていきます。
だから、分解の作業とは「増やす作業」ではなく「削る作業」です。
■ 削るための3つの問い
【1】この数字が動いたとき、打ち手を変えるか
変えないのであれば、見る必要はありません。
結果として報告するだけの数字は、月次でまとめて確認すれば足ります。
【2】この数字は、自分たちの行動で動かせるか
季節性や市場全体の動きで決まる数字は、監視する価値はあっても、
目標として追うものではありません。
追えない数字を目標に置くと、達成できない理由の説明に時間が溶けます。
【3】この数字が最終目標につながる筋道を、1分で説明できるか
説明できないなら、それは誰かが「見たほうがよさそう」と思っただけの数字です。
筋道が言えるものだけを残してください。
■ 残すのは、3つまで
経験的に、週次で追う数字は3つが限界です。
4つ以上になると、どれかが必ず形骸化します。
3つの内訳は、次の構成が扱いやすいと感じています。
・最終的な結果を示す数字(1つ)
・その手前で先に動く数字(1つ)
・やっている量そのものを示す数字(1つ)
結果が動かないとき、手前の数字が動いているかを見る。
手前も動いていないなら、そもそも量が足りていないかを見る。
この3段構えがあると、打ち手を決める会話が短くなります。
■ チームを持っていない方へ
ここまで組織の話として書きましたが、
自分ひとりの仕事でもまったく同じです。
やることが多すぎて回らないという状態は、
やることが多いのではなく、やらないことを決めていない状態です。
追わない数字を決めることと、やらない仕事を決めることは、同じ作業です。

