今回は、「痛み」についてです。
「痛み」で苦労しているひとは多いと思いますが、どうしても

主観的

なものなので、他人にはわかりません…

自分の痛みの原因を知るためにも
他人の痛みを知るためにも
痛みについて学んでいきましょう。

痛みは主観的であり、その人にしかわからない

痛みの原因は3種類に分類される
1:侵害受容性疼痛とは?
2:神経障害性疼痛
3:心因性(心理社会的)疼痛
3種類の痛みはそれぞれ関連しあっている
痛みは主観的であり、その人にしかわからない
痛みは主観的とお伝えしましたが、
痛みの定義でも

不快な感覚
情動体験
となっています。
つまるところ、「刺激の量」ではないということですね。

痛みに強い人・弱い人
が実際にいるように、同じ刺激の強さでも人によって感じ方が違います。
その痛みの経験があるか?ないか?でも変わってきますね。

包丁で手を切った!

などはわかりやすい「痛み」ですが、
それ以外にも痛みはあります。

坐骨神経痛などの神経の痛みや、
腰痛などに代表される「心因性」と呼ばれる痛みです。

痛みの原因は3種類に分類される

痛みは3種類の原因が考えられています。

侵害受容性疼痛
神経障害性疼痛
心因性疼痛
そして、それぞれが関連しあっているという形になります。

1:侵害受容性疼痛とは?
侵害受容性疼痛は、読んで字のごとく

「侵害するものを受容してしまった時に生じる痛み」です。

簡単にいうと、「怪我」ですね。
炎症により生じる痛みになります。

ですので薬では、

「消炎鎮痛薬」
であるロキソニン(NSAIDs)

「解熱鎮痛薬」
であるカロナール(アセトアミノフェン)

が有効です。

2:神経障害性疼痛
神経障害性疼痛は、最近有名になりました。
有名なキャラクターを使ったCMが話題になり、
「リリカ」と呼ばれる薬(プレガバリン)が非常に多く処方されるようになりました。

神経障害性疼痛と呼ぶよりも
神経過敏性疼痛といった方がわかりやすいのですが、
「痛みに過剰に反応している状態を抑制する」
という効果があります。

3:心因性(心理社会的)疼痛
ここが難しいところなのですが、

「脳の中で作られた痛み」

になります。
「慢性疼痛」の原因でもあります。

パブロフの犬はご存知でしょうか?
「ベルを鳴らすと、食事が与えられる」
という条件付けを行ったところ、ベルを鳴らすだけでヨダレを垂らすようになりました。

それと同様に、
「行動」と「恐怖・痛み」が条件付けされ、
この動作=痛みが出ると「脳の中」で条件付けされてしまいます。

3種類の痛みはそれぞれ関連しあっている

痛みは上記のように3種類に大別されるのですが…
それぞれが関連しあいます。
何らかのきっかけでこの悪循環から抜けられなくなってしまいます。

もともとは転んで怪我をして
「侵害受容性疼痛」
だったはずが、
神経障害性疼痛や、心因性疼痛が併発してきてしまいます。

3種類の痛みの関係

3種類それぞれが併発していると考え、

「現状の痛みはどの位置で、どの種類の痛みが主体なのか?」
をしっかりと把握する必要があります。
上記の図のどの位置にいるのか?をしっかり把握し、それに対応した治療が必要になります。

次回は対応方法をお伝えします。