さっきまで気持ちよく進んでいたのに、Claude Code が急に噛み合わなくなった。直したはずのバグをまた壊す、前と違うことを言い出す、関係ないファイルを勝手に触り始める——。

そういうとき、未経験のうちはたいてい「私の指示の書き方が下手だからだ」と自分を責めます。でも、その原因、あなたの指示のせいではないかもしれません。多くの場合の犯人は、もっと単純です。会話が長くなりすぎた、これだけです。

実際に自分は毎日Claude Codeを回してアプリを作っていますが、これは指示力の問題ではなく、AIの仕組み上ほぼ必ず起きます。今日はその「急にトンチンカンになる現象」を、症状の見分け方 → 原因の一言説明 → 今日できる1アクション、の順で狭く解説します。網羅はしません。狙いは「区切って新しく始める」の一点だけです。

まず:あなたのその不調、こういう症状ではないですか?

「なんか噛み合わない」を、具体的な症状に落とすとこの3つです。1つでも当てはまったら、指示ではなく会話の長さを疑ってください。

  1. さっき直したバグが、また復活する
    「ここ直したよね?」と言っても、しばらく前に直したはずの挙動が戻っている。
  2. 「前も言いましたが」と返される/前提を忘れた回答が来る
    序盤に伝えた「これはNext.jsの家計簿アプリ」といった前提を、途中から忘れたような回答が返ってくる。
  3. 関係ないファイルを勝手に開き始める
    支出一覧のバグを直してほしいだけなのに、なぜか設定ファイルやまったく別のページを触り出す。

このどれかが起きたとき、多くの人はさらに長いお願いを重ねて挽回しようとします。でも、それだと悪化することが多いです。理由は次のQ&Aで説明します。

よくある誤解Q&A:「私の指示が下手だからですか?」

未経験の方から一番よく出るのが、この質問です。

Q. 急に噛み合わなくなったのは、私のプロンプトの書き方が下手だからですか?

A. いいえ、多くは指示の問題ではなく「会話が長くなりすぎた」のが原因です。

AIは、1回の会話に入れられる情報量に限りがあります。人間でいう短期記憶のようなもので、無限ではありません。同じセッションでチャットを延々と続けると、やり取りがどんどん積もっていって、古い文脈(最初のほうに話した前提や、途中で直した内容)が押し出されて薄くなっていきます

薄まった結果どうなるかというと、

  • 直したはずの内容を「もう覚えていない」から、また壊す
  • 最初に伝えた前提を「もう覚えていない」から、見当違いの回答をする
  • 何をしたいのか曖昧なまま、推測で関係ないファイルを触る

——つまり、さっきの3つの症状が全部これで説明できます。あなたの指示が急に下手になったわけではなく、AIが1回の会話で見渡せる範囲から、大事な情報がこぼれ落ちただけなんです。

だから、ここで「もっと丁寧に長く説明しなきゃ」とお願いを重ねると、会話はさらに長くなり、文脈はもっと薄まります。悪化のループです。ここで必要なのは、粘ることではなく、いったん区切ることです。

悪い例:長い会話の途中で、そのまま粘る

まず、やりがちな「悪いプロンプト」を見てください。噛み合わなくなった長い会話の、その続きにこう打ち込むパターンです。

さっきのバグ、なんかまた出てるので直して

これ、気持ちはすごく分かります。さっきまで通じていたから、同じノリで続けたくなる。でも、この一言には問題が3つあります。

  • 「さっきのバグ」がどれか、もう曖昧:長い会話の中で複数のバグを触っているので、AIも人間も「どれ?」の状態
  • 「なんか」で症状が特定されていない:どう出ているのかが伝わらないので、AIは推測で動く
  • 薄まった文脈の上に積む:ただでさえ古い情報が押し出されているところに、曖昧なお願いを足す

結果、AIは「たぶんこれのことだろう」と推測で関係ない場所を触り、また噛み合いません。長い会話で粘るほど、この曖昧さは効いてきます。

良いアクション:いったん区切って、新しく始める

やることは1つだけです。粘るのをやめて、会話を区切り、新しいセッションで、目的を1つに絞って始め直す

手順1:区切る

長い会話をリセットします。Claude Code なら /clear を打つか、新しいセッションを開始してください。これで、薄まった古い文脈をいったん全部リセットし、まっさらな状態から始められます。

手順2:引き継ぎ1行を渡す

まっさらにした分、AIは前の話を何も知りません。なので、新しい会話の最初に「何を作っていて・今から何をしたいか・どのファイルか」を1行で渡します。実際に自分が投げている引き継ぎの骨子がこれです。コピペして、中身だけ自分のアプリに置き換えて使えます。

Next.js + Supabase の家計簿アプリを作っています。
今からやりたいのは「支出一覧の日付が並び替わらないバグ」の修正だけです。
関係するのは app/expenses/page.tsx です。
まずこのファイルを見せてください。

悪い例と何が違うか、埋めたのは3つだけです。

  • 何を作っているか(家計簿アプリ)→ 前提を1行で渡し直す
  • 今からやりたいこと1つ(並び替わらないバグの修正だけ)→ 目的を1個に絞る
  • 関係するファイル(app/expenses/page.tsx)→ AIが推測で別ファイルを触らなくなる

長い会話でずるずる粘るより、目的を1つに絞った短い会話を新しく立てるほうが、AIははるかに正確に動きます。文脈が薄まる前の、いちばん賢い状態で仕事をさせられるからです。

区切る前のひと工夫:3行で引き継ぎメモを作らせる

「区切ると、それまでの作業が全部消えそうで怖い」——これもよく聞きます。そこで、区切るにワンクッション入れます。まだ会話が生きているうちに、こう頼んでください。

ここまでの作業内容と、次にやることを3行でまとめて。

出てきた3行を、新しいセッションの冒頭にそのまま貼れば、手動で状況を思い出さなくても引き継げます。「区切る前に3行でまとめさせる → /clear → 3行を貼って再開」。この流れにしておくと、長い会話を惜しまず、気軽に区切れるようになります。

まとめ:噛み合わなくなったら、粘らずに区切る

やったことを振り返ると、これだけです。

  • 症状:直したバグが復活/前提を忘れた回答/関係ないファイルを触る、が出たら黄色信号
  • 原因:あなたの指示が下手なのではなく、会話が長くなって古い文脈が押し出されただけ
  • やること:粘って長い会話を続けない。区切る前に「3行でまとめて」→ /clear → 引き継ぎ1行で新セッションを始める
  • コツ:長い会話で粘るより、目的を1つに絞った短い会話を新しく立てるほうが、AIは正確に動く

「急にトンチンカンになった」は、あなたが下手になったサインではなく、「そろそろ会話を区切っていいよ」というサインです。次に噛み合わなくなったら、自分を責める前に、上の引き継ぎ1行で新しく始めてみてください。だいたい、それだけでスッと通ります。


面談なしで、今日から始められます

この講座は 未経験から Next.js + Supabase + Claude Code で Webアプリを作って公開するまで を全20セッションで体系化した教材付きプランです。無料相談を挟まず、申し込んだその日から教材で学習を始められます。AIが学習パートナーになって何度でも質問でき、つまずいた所だけチャットで直接サポートします。

  • 今日から始める(教材完全版+月5,500円・チャット質問し放題・いつでも解約OK)→ https://menta.work/plan/20251?ref=menta-knowledge
  • いきなりは不安な方へ:無料の教材体験版もあります(最初の数セッション分)→ プラン詳細をご覧ください