これは「AIに任せるな」という話ではありません。任せていい。ただ、出てきたものを見る目がないと、穴が空いていることに気づけないだけです。

AIに「サイト作って」と頼むと、驚くほど早く"それっぽいもの"が出てきます。見た目は整っていて、クリックすれば動く。この時点では「完成した」と感じてしまうのが自然です。

でも実際に触っていくと、ほぼ毎回、同じような場所に穴が見つかります。しかもその場所は、案外決まっています。

穴が空きやすい4箇所

① ページが増えた瞬間に構造が壊れる
1ページだけのうちは、何をどう書いても動きます。問題が出るのは2ページ目を作った時です。ページ同士がどうつながっているか(ルーティング)を知らないまま増やすと、あるページの変更が別のページに波及して収拾がつかなくなります。

② 見た目が整っているせいで「完成」と錯覚する
デザインの部品を並べれば、最初から見た目だけは整います。むしろ整いすぎているせいで、中身がどれだけ薄いかに気づきにくくなります。ボタンを押しても何も起きない、データを入れても消える。見た目は完成、中身は空、という状態です。

③ ローカルで動く ≠ 公開できる
自分のパソコンで動いたものが、そのままインターネットに出せるとは限りません。環境変数(サーバーごとに違う設定値)の存在を知らないと、「なぜか本番でだけ動かない」の原因が永遠に見えてきません。

④ データ設計だけは、あとから直せない
画面は何度でも作り直せます。作り直せないのはデータの持ち方です。「とりあえず1つのテーブルに全部入れておく」で進めると、後から情報を整理し直す時に、既存のデータごと作り直しになることが珍しくありません。

欠ける場所は、数えられる

怖がらせたいわけではありません。むしろ逆で、欠ける場所は無限ではなく、数えられるという話です。上の4つを知っているだけで、AIが出してきたものを見た時に「あ、ここが薄いかもしれない」と当たりをつけられるようになります。

これは「AIより自分で書いた方がいい」という話でもありません。任せる部分と、見る部分を分けられればいい。作る力より先に、見る目のほうが実は再現性があります。

プログラミング + AIと協働する力が、同時に育ちます

私が教材で大事にしているのは、コードの書き方だけでなく「AIが出したものを、自分の目でどう検証するか」です。上の4つのような"欠けやすい場所"を知っているかどうかで、AIとの付き合い方がまったく変わってきます。これは開発に限らず、AIに何かを任せて成果物を受け取るあらゆる場面で使える力です。


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