こんにちは。
Claris FileMakerでアプリ作成や作る人のお助けをしている、Guppy Web Serviceの関口敦子です。
クラウドソーシングのメッセージなどを通してクライアントからのお問い合わせ→見積もり出し→直接指名による受注が主な流れで仕事をしている中で、最初にクライアントとお話しする内容や見積もりをテンプレとして書き出している内容をざっとここでご紹介します。

お問い合わせのメッセージの流れとしてよくあるパターンを以下に示します。
クライアント:(ク)
Guppy Web Service:(G)


(ク):「○○のようなシステムを作るには、FileMakerで作ると早くて低コストで出来上がると聞きました。どのくらいで出来ますか?」
(G):(うわぁ、大雑把)「今使っているFileMakerアプリはありますか?もしあるとしたらバージョンは幾つですか?サーバーは何を使ってますか?システムにはどのような機能を、、、(延々)」
(ク):「おおよそ受注管理、発注管理、書類印刷、在庫管理あたりですかね。これからFileMakerを導入します。これらの機能の概算を知りたいです」
(G):「では、受注はメールからでしょうか?どこかのサイトから取り込みますか?発注管理は発注先の管理が必要ですか?発注の履歴は残しておきますか?印刷は、、、(延々)」


と、このような要件聞きが延々と続いてはクライアントも開発側もそれだけでぐったりしてしまいます。

「概算」の定義とは、、、?

「概算」を検索すると、「おおよその見積もり、、、」と出てきます。
なんともゆらゆらとした言葉ですね。
システム開発で「概算」を出すと、要件を聞いた後に出した見積もり金額が概算よりも多いとあまりいい顔をされません。
かと言って、詳しく聞きすぎるとNDAを結んでいないのにここまで情報を出さなくてはいけないのか?と双方不安になります。

クライアントが「システムってこんなにお金かかるの!?」と思われるよりも、

「この機能と性能だったら、このくらいのお金かかって当然だね。むしろ安い」

と言われるような概算出しをしてみませんか?

そのために日頃から(?)準備しておくのは、次の項目です。

1.質問のカテゴリ分けをする
2.忘れがちな概算をあらかじめ見積もっておく

これら2点をテンプレ化することで、クライアントからの問い合わせに迅速に、かつ、実コストに近い金額でご提示ができます。

1.カテゴリ分けをする

クライアント側と開発側(あなた)が疑問に思うようなことややりたいことの質問項目をあらかじめ予想しておきます。

1.1.クライアント側(使う側)

では、クライアント側はどのような疑問や要望を持っているでしょうか?
想像してみてください。

やりたいこと(機能)

例えば、

  • 顧客管理を作りたい、できれば在宅でも回るように。
  • 今運用しているクラウドサービスと連携したシステムを作りたい。
  • 印刷は減らしたいから、PDF保存をメインとした仕組みにしたい。
  • スタッフがマニュアルなしでも日々運用できるようにしたい。

などがあると思います。

どこにどのくらいかけられるか(予算)

では、そのやりたいことにどのくらいの予算を当てられるでしょうか?
クライアントごとに同じやりたいこと(機能)であっても、かけられる金額は違います。
場合によってはFileMakerではなく別のやり方を提案することもあります。

いつまでに(開発期間)

クライアントが呑気に「仕上がりはいつでもいいよ」と行ってくれるケースは稀でしょう。
いつからシステムを使えれば、スタッフがハッピーになって「このシステムを導入してよかった。。。」と思ってくれるでしょうか?

1.2.開発側(作る側)

次に、開発側(あなた)をみてみましょう。

やりたいこと(機能)への道筋をつける

クライアントがやりたいことは、実際の運用に逸脱していない感じですか?
とっぴもない機能を提供しても、クライアントにはウケても実際に使用するユーザにはありがた迷惑かもしれません。
やりたいこと(機能)は、ユーザが欲しているかどうか、また、この機能を導入することでユーザは何が嬉しいのか、楽になるのかを言語化・図式化して道筋を提示してみましょう。

やりたいこと(機能)の実現方法

クライアント(ユーザ含む)がやりたいことは、FileMakerではどのように実現すれば一番フィットするでしょうか?
すごいツールを使えば一番ぴったりするかもしれないかもしれない場合でも、そのツールだとコストが嵩むかもしれません。
「このやりたいことを実現するには何通りの方法があるか?」を日頃からウォッチ、実際に自分の手で作って確信を持っておくのが大切です。

何人で開発できるか(人員配置)

FileMakerの開発では、大抵実際に開発するのは1〜数名体制が多いです。
どのくらいの人数がいれば、コストに見合った納期で開発できるかも重要です。

2.忘れがちな概算

システムを構築する際には、開発費以外にも運用費、スポットでかかる何かしらの費用があります。
これらも忘れずに概算に含ませましょう。
「こうなったらどうなる?」という視点で、アンテナを立ててシミュレーションしておきましょう。

2.1.運用費

長い年月使うことで、運用費は固定費になりがちですので、ある時点で開発費を上回ります。
その際に、提供している機能以上に運用費がかかるようであれば、クライアントはその機能の開発を採用しないでしょう。
ただ、その分人員コストが浮いて本業に力を入れられているのであれば、クライアントは納得してくれるはずです。
運用費は概算の段階から提示しておくと、「すごく便利だけどコストかかりすぎてもういらない」となる可能性を低く抑えられます。

2.2.力量

1人でやれない場合もあります。
例えば、「A機能は私が得意だが、B機能は自分の知識が足りない」などです。
そのときは、誰がどの機能を担当すれば、チームワークよく望んだ機能を構築できるのか、など、自分の「今の」力量を知っておきましょう。

2.3.人付き合い

これは、一番大事です。
1人で開発するから、別に人付き合いしなくても、、、と思いがちですが、先ほどの力量や機能開発分割など、単にアウトソースして依頼をするよりも、気心や力量を知っている人に頼むのがストレスが少なくすみます。
また、仕事は何が縁で舞い込むかわかりません。
「1人ではない」ことをいろいろな場面で実感します。

概算の出し方に不安があったら

FIleMakerを学習する人は、これから受注もしくはどこかの情シスなどで腕を奮っていくことになります。
独り立ちして仕事をバンバンとるぞー!と意気込んでも、最初でつまづいてはもったいないですよね。
また、現在情シスなどに席を置く人は、これらをうなづいて読んでいただけたのではないでしょうか?

Guppy Web Serviceでは、こうした「はじめに何が必要か」「何を知っておくとスムーズに受注・発注できるか」などをアドバイスするサービスを提供しています。

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