アイデア出しの基本は、インプット→思考→アウトプットで、それらを何度も回すことが大事
アイデアを出すにはどうすればいいか?
世の中には「発想法」というのがありますし、それで満足したり、ある程度出来る方はいると思います。
基本でありつつ最終的には、見て学んでそこからひらめくという、もので着地するという感覚があります。
そこで今回は、アイデアの出し方として、僕が考えている「アイデアの出し方」の基本原則を示してみます。
(色々考えていってもやはりここに戻るというか、まとめられるということですね)
結論
結論としては、アイデアは、インプットがあって、それを思考して生まれるということです。
逆にいえば、インプットがないのに「ひらめく」ことはないですし、「思考」してないのに「ひらめく」ことはないです。
反論として、「ある日突然アイデアが浮かんだ」はその体験者が言う言葉としては「正しい」と思います。文字通り「ある日」「思いついた」ので。ただここでおそらくですが、この方は「(3年くらい考え続けていたら)」というような考え続けていたということが抜けているだけです。つまり、インプットや思考があったから生まれたということです。
スライドは情報量のイメージです。無垢な粗いインプットは数は多いですがそれが思考で精査され圧縮し、最後に何か形となって見える形となっていく。というのをかなり直観的に示したつもりです。
アイデア出しは3つのフェーズにまとめられる
ジェームス・W・ヤング氏「アイデアのつくり方」は短くまとまっているのですが、改めて読むと確かに訳本で読みづらい感もあるのは確かです。そこでは5つのフェーズが説明されていますが、これをまとめてしまう意味でも3つになると僕は考えています。
1つはインプットフェーズです。インプットというと、何か話を聞くとか、勉強をするとか、本を読むとかそういうことを思いがちですが、「体験をした」でもいいですし、「何かを観察した」でもいいかなと。そういう意味で人は日常で多くのインプットをしているはずですが、または出来るはずですが、何かに活用してやろうと思わないとなかなかインプットできないということはあるようです。
2つ目は、思考です。スライドでは「考える」と書いていますが、思考だと何か分かりづらいからです。ただ、思考も考えるも、一体何かというところですよね。そこも説明します。少なくとも、インプットしただけでは何もアイデアとならない、情報やニュースや人の話なので、自分で解釈する必要があるということです。
3つ目は、アウトプットです。アウトプット自体がアイデアということもありますが、アイデアそれだけであることは少ない気がします。例えばビジネスのアイデアとか、企画書としてとか、デザイン案とか。そうやって何かアウトプットするものに付随するものだからです。
ここでは言及しませんがさらっというと、そういう意味で「アイデア」だけでは価値がないというのも分かるのですが、「アイデア」自体は何かアウトプットするものと付随する、コラボするからそこで価値となるという気がします。
だから、アウトプット出来る何かが大事になるのではないかということになります。
ここまで来て、アイデアが出たとか、アイデアになったとか言って良いと思っています。
1.インプットフェーズ
最初はインプットフェーズです。
ここで大事なことですが、一番最初はインプットから始めなければならない、という話ではないです。例えば、クリーニング屋さんで働いてた人がいるとして、独立してその人がクリーニング事業を行うとしましょう。その場合、知見や経験は相当あると思うので、クリーニング業界とかクリーニング業についてインプットを一からやる必要はないと思います。
つまり、その人の知見や経験でインプットフェーズは少なくしたりまたは違う領域のインプットを得るなどとなるわけです。もっといえば、クリーニング業のインプットがあればそれが普通や常識となっているので、その延長でのアイデアは出しづらいですよね。だから別領域のインプットが必要という意味ではインプットが必要です。
インプットをするとは、スライドで示したように、本とか読書でもいいし、ニュースでも、何か資料でも、人の話でも、メモしたものを見返すとか、どこかに遊びに行って観察するとかでもいいと思います。
ここで、端的にインプットをすると「知識や情報量が増えます」から、スライドでは棒が伸びて増えているという感覚です。
ここでは情報量という視点だけで見ています。深さとか、つながり具合とかそういうのは一旦おいておいてください。重要ですけどね。
インプットフェーズでは、このインプット量が増えれば良いです。何かを学んで理解できるかはおいておいて、そういう情報があったとか、こういう切り口があったとかもインプットといっていいと思います。
2.思考フェーズ
インプットを終えて情報が増えて、頭がパンパンになったり、整理できてない状態を想像してください。文字通り頭に詰め込まれて「結局なんだろう?何が言いたいの?」みたいな状態です。
思考フェーズは、インプットした情報を精査して使えるとか、視点として面白いとか、問いを立てたり、整理したりすることです。これをざっくりまとめて「思考する」と呼んでいるだけです。
この作業を行うとどうなるか?
端的にいえば、情報量は減ります。ただ、単純に情報量が減ったのでなく、圧縮されるイメージです。ですので、正確には減るのでなく「圧縮」が正しい気がします。
または使える情報や考えているテーマで紐付けられた、より自身が使いやすい情報となるということです。
イメージとしては、箇条書きのメモがインプットフェーズで100行あっても大変ですよね。でも、これを思考フェーズで、見出しをつけて重要度を付けると、3つの見出しになって、それぞれ5行程度で重要なことが言えるみたいな感じです。
とくにこの思考フェーズが大事かなと僕は考えています。この部分が見えないので諦めるというか、難しいとか、よくわからなくて辞めてしまうという人が多いと思っています。
冒頭で書いた「発想法」の話として、発想法=発想を考える思考法、と考えると発想法は思考するための技術といっていいんですね。だから人の技術を使って真似するのが大事です。ただ、結局思考なのでやり方や考え方の合う合わないはあるので、練習して学んでいくしかないかなというのが僕の考えです。
整理するのは大事というのは分かる方もいるかもしれません。他に大事なのは、関連付けです。ある事象やニュースが何に関連するか?学んでいると、これらはひも付きやすいです。むしろ、関連付けから先の話でいえばクリーニング屋さんが違う視点でビジネスを始めたい時、業界の常識として仮ですが「きれい、すばやく、やすく」みたいなのがあったとします。その場合、「そこそこ、ゆっくり、状況に応じて」みたいな視点を出せるかです。
このアイデアが筋が良いかはおいておいて、「綺麗さがそこそこでいいなんておかしいではないか」というのは思い込みかもしれませんから、そういう問いかけ、組み合わせというのが大事ということですね。
クリエイティブ業界などでは「クリエイティブジャンプ」と表現されるはずですが、想定していない、遠い概念を結びつければ付けるほど良いアイデアとなりやすいです。乱暴につなげてどうだ?ではなくて、課題の解決になっていることが求められるのでなかなか難しいわけですよね。ですが、関連付け、概念を飛ばすということは関連付けをかなりすると出てくるかもしれません。
ここで大事なことですが、頭の中でこれをやっているわけではありません。僕はやっていません。紙に書いたり、「あれ、この視点使えるな」と思ったら考えてみる。書き出してみる、人に話してみる。というようなことをやります。
ものすごく地味なのですが、おそらく戦略とか思考が好きな人はここをかなり好きでやっていて、それ故に楽しいはずです。好きでない人はここが苦痛でしょうがないので、そのマッチングが大きなビジネスになるのだろうと思っています(笑)
一つだけいうと、アイデア出しが苦手な人は、真面目にインプットをするのでインプットフェーズはクリアしている人が多いはずです。ですが、整理とかここで思考するフェーズがぽっかり抜けていることが多いです。正解自体はないので(事例を探してもピッタリの何かはないですからね)そこに気づけるかというところですね。あとは精査しすぎて考えを出さないとかですが、これはまた別で述べられればというところです。
3.アウトプットフェーズ
最後にアウトプットフェーズです。
アウトプットは、思考した圧縮した情報をまさに何か形にするということです。
先にアイデアはそのまま存在しづらいというのは、文字通り「アイデア自体は弱い生き物」であり、「ひよこのように生まれ立ててそのまま放置すれば生きられない」みたいなイメージでいてください。
つまり保護が必要です。あなたが親となり、そのアイデアを守ってください。冗談でなく真面目に言っています(笑)
ここでアウトプットとは、具体的には、検証したり、改善するとか、企画書とかあ、ランディングページを作るとか、ビジネスモデルを作ってみるとか、誰かにインタビューして反応を探ってみるとか、アンケートでもいいでしょう。
実際にやれるなら、「服を作っている友人の手伝いをして、マルシェでお手伝いをする。その代わりに、お客さんに話をして、クリーニング需要についてヒントを得る」みたいなアイデアも生まれてきます。くどいですが、これが筋が良いかはおいておいて、そういう「アイデア」が生まれてかつ「友人の手伝いをしてお客さんの話を聞いてみる」ことがアウトプットの一部ということです。
もっと言えば具体的にそのアイデアを試すとかというのが適切でしょうか。「アイデアを守る」とは、特許とか権利で守るということではないですよ!
このアウトプットフェーズを行うと、何が起きるかですが、シンプルにアイデアの精度が高まります。うまくいきそうなら続ければいいです。または足りないことが分かればインプットフェーズに戻るとか、思考フェーズに行くとか。
逆に微妙なら別のアイデアをまたインプットしたり、またはうまくいかない点を思考して違うアイデアを考えるというのが自然かなと思います。
ここでこのフェーズを「検証」といってもいいのですが、検証ですと、「アイデアをいけるかどうか」だけとなって面白みがないのでこう名付けています。
アイデアを出すとはこのフェーズを繰り返すこと
このようにアイデア出しとは、インプット→思考→アウトプットを繰り返すこととなります。当然途中を飛ばしたり、一瞬でまとまるとかもあるので、1+2+3をやったり、1→3となったり、3→1となったり、2→2→1→3となったり、それらの動きとか思考手順は実は一様ではないということです。
またこれは1サイクルやれば良いアイデアが出るとかはなくて、むしろないんじゃないかというのが僕の肌感覚です。何度もやって磨いていく。または明らかにまずいから辞めてみる。そういう目利き、学び、練習をしていって磨かれていくものです。
ですから、これは才能(先天的な何かという意味)ではなくて、むしろ練習しているかどうか、そして身に付けられるというのが僕の考え方です。
この説明を聞いて自分でも出来るかどうかはわからない人もいるかもしれませんが、つまずくポイントがあればそこをサポートすることも全然やりますよ。逆に出来ている人は多少の違いはあれ、こういう考え方に収束するのではないかというのが僕の考えでした。
まとめ
最後に簡単にまとめてみます。
- アイデア出しは、インプット→思考→アウトプットの3つのフェーズで生まれる
- 情報が増え、圧縮され整理され、アイデアが形になるというイメージ
- 一度のサイクルで良いものが生まれることはほぼなく、何度もこのサイクルを飛ばしたり変化させていくことがアイデア出しでは重要
- アイデア出し自体は才能(先天的なもの)でなく、練習や鍛錬でうまくなる(僕もそうです)
となります。
アイデア出しに関する補足
最後にちょっとした補足です。
アイデアを出せる人、クリエイターとか、広告を作る人とか、Webデザイナーとか、色々な人がいますよね。こういう人は独自のアイデアの出し方を持っています。正確には説明出来なくても持っている人が多いという印象です。言語化は別としてあるイメージです。
もちろん言語化出来る人も大勢いると思っていて、自分のアイデアの出し方を説明出来るということです。問題点としては、そのやり方を説明しても(例えば動物園に毎日行って観察する)出来るかどうかは別とかですから、これは発想法と同様で、うまく参考にできそうなことを真似る程度でいいと思います。
僕も同じです。クリエイターではないですが、違和感発想法というのを提唱しています。違和感からアイデアは出る!というわけですが、これも「違和感」自体をどう得るかは結構というかかなり大事ですが、説明が難しいんですね(笑)だからこれは最近あまり言ってません。ただ、違和感センサーを磨くとか、「これは何か気になるな」を見逃さないのは超大事だと考えていますから、やり方がまずいとかはなくて、合う合わない、少なくとも初学者の人が学びやすいかどうかかなと感じています。
僕自身はどうインプットしているかはシンプルにリサーチです。色々なリサーチをしているので、普段からですね、情報自体は色々あると。今の時代は情報量は膨大ですから情報自体は誰でも得ていると思います。あとは、調べていくことで得たい情報を得られるか、どこまで得られると満足なのか、仮説とかですよねそういう練習が大きい気がします。例えば世の中でGoogle検索で全てが解決するわけではないですよね。わからないことも一杯あるという感覚は起業でもかなり大事かなと思いますし、アイデア出しでもそうで「やってみないとわからない」もある程度大事かなと。
僕自身は思考が好きなので、とくに言語化などに寄っているかなと思います。なので、そのバイアス(偏り、思い込みなど)があるということを踏まえて読み解いてもらうと面白いのではないかなと思います。
以上です。
何かアイデア出しのやり方に困ったり、アイデアの壁打ちなどでお困りであればお気軽にご相談ください!