グラフィックデザイン史を語る上で必ず名が上がる「ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン氏」のデザインを解剖してみます。
デザイントレースをされています方に対して、何か少しでも気づきや実を結ぶように丁寧に細かく解説していきます。
通常の上からなぞったり再現するようなトレースというよりは、少し難しいワンランク上のトレースですので、最初は難しく感じられるかもしれませんが、デザインを読み解く目を養うことが出来ますので今回の記事だけでもお目通しよろしくお願いいたします。

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数多の書籍でも取り上げられる上記の有名なポスター。今回はこちらを題材に紐解いていこうと思います。
まずはこのグラフィカルで特徴的な円弧の角度から調べていきます。

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各角度は上記の通り。
次にこの円弧の帯の太さを紐解いていきます。

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わかりやすいようにグレーのボックスをおいてみると、各ボックスは前のボックスの2倍、すなわち「2のべき乗」であることがわかりました。

ここでまた角度を見てみます。
円の角度、360°をこの導き出された「2,4,8,16,32」という数で割ってみると、
・11.25°
・25°
・45°
・90°
・180°

となります。

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ここで造形のルールは導き出せましたが、何故このルールを用いたかを考えてみました。
通常であれば小数点が発生することを嫌い、15の倍数で作ることが予想されます。(15,30,45,60,75,90……)

ですが何故このような方程式を取り入れたのか。
ここからは推察ではありますが、このポスターが「音楽」にまつわるポスターであることが肝になっていると仮説を立てました。

音楽には「音符」という単位があり、
それらは「4拍子」を元にした時、
「四分音符(1/4)」
「八分音符(1/8)」
「十六分音符(1/16)」

といったようにこれらも「2のべき乗」で音符が区切られます。

ブロックマン氏は、この音楽理念をグラフィックへと落とし込んだのではないでしょうか。
どこかの文献で既出であったら申し訳ありませんが、私はこのようにポスターのロジックを考察しました。

今回何故このようなことをしようと思ったかというと、
現在MENTAにてメンタリングさせていただいているメンティーさまに、参考資料としてこのポスターを提案したことが始まりで、そこから自分なりに納得のいくところまで追求してみたところ、このようなことが読み取れたので、せっかくなら皆さんにもご紹介できればと思い今回書き起こしました。

また気まぐれにこのような歴史的名作と名高いグラフィックを稚拙ながら考察してみようと思います。

私のメンタープランではこのようなこともブラッシュアップの一環で参考資料として解説していたりします。
現状では有難いことに、ロゴデザインのワークショッププランや、ブラッシュアッププラン、専属メンタープラン等でご好評いただいております。
https://menta.work/user/36063

ご希望のプランが無い場合でも専用のプランをお作りすることもできますので是非、ご検討いただけますと幸いです。

ではまた!