私が思いますに、仕事の時間の外で、自分の時間を削って勉強するのは、ムリゲーの類です。
もちろん、趣味を兼ねて、楽しんで勉強できるなら、それはOKなんですが、たとえば転職したいから、という理由から、苦しい気持ちで自分の時間を削って勉強するのは、かなり効率が悪いと思います。

私は、普通に仕事の時間の中で勉強することが良いと思うのです(実際、自分でもそうしてきました)。

ある仕事をするときに、その仕事を「どのような方法」でこなすかは、多少の自由度があるはずです。その自由度の範囲で、より良い方法を探し、その方法を試し、効果が出たとき、その方法を上司や同僚と共有することで、あなたは「アイデアマン」であるという認識が、次第に職場の中で広まっていくと思います。その認識があるとき、仕事をこなすための方法を考えるために時間を割くことは、周囲の人々に認められるようになっていくと思います。

そうなれば、目の前の仕事や、近い将来の仕事のために、より良い方法を発見するために勉強することは、職場の歓迎するところなるはずです。サボっているのではなく、勉強しているのだ、そしてそれはみんなのためにもなるのだ、ということが認められるようになるのです。かくして、仕事の時間中に勉強することができるようになります。

もし、あなたの職場でEXCELやWORDが使われているなら、VBAを勉強することは歓迎される可能性が高いです。そしてVBAを学ぶことは、将来、他のプログラミング言語を学ぶときの基礎を与えてくれます。はじめてのプログラミング言語は何が良いか...というのは様々な議論がありますが、私は、実際のあなたの職場に役に立つものを作るところから始めるのが良いと思います。たとえば、大量の画像を一定サイズに変換するような仕事は、さまざまなプログラミング言語で、かなり簡単に実装することが可能です。そういう仕事をひとつひとつこなし、経験値を増やしていくことが、その後、本格的にプログラミングを仕事とするための第一歩となると思います。

私の職業プログラミングの原点は、AWKという言語にあります。これはちょっと特殊な言語ですが、Unixの思想である「ひとつことをうまくやる小さな道具」というコンセプトを具現化したような言語です。私は、AWKを使ってテキストファイルをさまざまに検索/加工するスクリプトを書きまくり、仕事を効率化していきました。仕事が忙しいからこそ、効率化が必要だったのです。

仕事が忙しいことは、勉強の邪魔にはなりません。むしろ助けになります。職場で、人のやりたがらない仕事に積極的に手をあげて、自分を忙しくしてしまうことが、勉強の原動力となります。ぜひ、ためしてみてください。