「うちのチームにも、AIの使い方を共有しておいて」

上司にそう言われて、部署内でミニ勉強会をやることになった。
自分もまだ手探りなのに、教える側に回るのは、正直、少し気が重い。

でも、やるからには、ちゃんとしたい。

そこで、AIに頼る。「〇〇についての勉強会の資料を作って」。

返ってきたのは、なかなか立派な資料。用語の説明も、事例も、網羅されている。
「これだけあれば、大丈夫だろう」。そう思って、当日、その資料で話す。

ところが、参加者の顔が、どこかポカン。

「で、結局、自分は何をすればいいの?」

そんな空気が、伝わってくる。話しながら、あ、これ伝わってないな、と気づく。
でも、もう止められない。

丁寧に作ったのに、なぜか、刺さらない。こんな"空回り"、心当たりありませんか?

「情報が揃っている=伝わる」ではない

これは、まじめに準備する人ほど起きます。
抜けがあったら困る。だから、AIに"網羅的な資料"を作ってもらう。
用語、背景、事例——ぜんぶ入っている。

でも、聞いている側からすると、「全部が、同じ重さで並んでいる」状態は、かえって、頭に入ってきません。
スライド20枚。生成AIの歴史から、プロンプトの型、注意点まで、みっちり。
話し終えて、こちらは達成感がある。でも参加者は、メモを取る手も止まって、ただ画面を眺めている。

どこが大事で、どこは聞き流していいのか。自分は、明日から何をすればいいのか。
その"道すじ"が見えないまま、情報だけを浴びることになる。

だから、資料は立派なのに、「勉強にはなったけど、で、何すれば?」で終わってしまう。
網羅と、伝わることは、別なんです。

ズレているのは、「資料の中身」から作り始めていること

ここで、教え方が下手なわけでは決してありません。

ズレているとすれば、「何を載せるか(中身)」から作り始めて、
「聞き手が、どう分かっていくか(流れ)」を、置いていないところです。

AIに「資料を作って」と頼むと、出てくるのは"論理的に正しい並び"です。
でも、人が理解する順番は、論理の順番とは、限りません。

大事なのは、資料の厚さではなく、「終わったとき、参加者が"何をできるようになるか"」
このゴールを、先に一つ決めること。

たとえば、「明日から、メールの下書きをAIに頼めるようになる」
このゴールが決まれば、そこに向かう最短の流れだけを残して、あとの情報は、そぎ落とせます。

中身を並べるのはAIでいい。でも「どこに連れていくか」は、自分が決める。

「教える」とは、知識を渡すことではない

そして、もう一つ。

なぜ、つい"全部乗せ"の資料を作ってしまうのか。
それは、「教える=知っていることを、もれなく伝えること」だと思っているからかもしれません。

でも、本当の"教える"は、相手の行動が、一つ変わること。
ゴールを「知ってもらう」ではなく「できるようになる」に置き換えるだけで、
資料の作り方は、まるごと変わります。

今日からできる、小さな一歩

やることは、たった一つ。
「資料を作って」の前に、まず流れだけ相談する。

たとえば、こう頼みます。

〇〇の社内勉強会をやりたい。
ゴールは"参加者が明日から△△できるようになる"こと。
中身はまだいいので、その状態に導く"見出しの流れ"だけ、4つ提案して。

出てきた流れを見て、

「うちのメンバーは、ここでつまずくな」
「この順番だと、ピンとこないかも」

と、自分の目線で、並べ替える。
流れが「これなら伝わる」と思えてから、はじめて、中身をAIに埋めてもらう。

順番を、先に。中身は、あとから。
これだけで、空回りが、ぐっと減ります。

  • これまで:
    「資料を作って」
    → 網羅的な資料
    → 情報を浴びせるだけ
    → 「で、何すれば?」。

  • これから:
    ゴールと流れを、先に決める
    → そこへ導く順番に、中身を乗せる
    → 「明日、これをやってみよう」で終わる。

"立派だけど空回り"が、"動き出せる勉強会"に変わります。

ただ、ここで次の壁が出てきます。

AIが流れを4つ出しても、「うちのメンバーは、ここでつまずく」と並べ替えられるかどうかは、別の話です。
それには、相手が今どこまで分かっているかを、読む必要がある。
ゴールをどこに置くかも、相手のレベルで変わる。

この"聞き手の読み"こそ、AIには代われない、教える側の勘どころなんです。

「うちのメンバーの"分かる順番"が、読めない」

いざやってみると、ここで手が止まる人がほとんどです。

そもそもゴールをどこに置けばいいかも迷うし、伝わる組み立ては、一度で身につくものでもない。
何度かやるうちに「この順なら届く」がつかめてくるものだからです。

だからこそ、最初の流れづくりを、教えることのプロと一緒に整理してしまうのが、いちばんの近道です。

私は人財育成に20年、官公庁や大手企業を中心に、のべ3,000名以上の指導に携わってきました。
"どう伝えれば、人が動けるようになるか"——それを、ずっと考え続けてきた仕事です。

30分の無料相談では、あなたがチームに共有したい内容を持ってきてもらえれば、
その場で「参加者が明日から何をできるようになるか」というゴールを定め、
そこへ導く"伝わる流れ"を一緒に組み立てます。 そのまま当日話せる骨組みにして、持ち帰れます。

相談だけで終えても大丈夫。そこは安心してください。

一人で「これで合ってるのかな」と抱える時間、そろそろ終わりにしませんか。

生成AIのモヤモヤを、実務目線で整理したい方はこちら:
https://menta.work/plan/21044

にっしーが、あなたの状況に合わせて、一緒に整理していきます。