開発会社と連絡が取れなくなったら?まず確認してほしい5つのこと
「システムを作ってもらった会社と、突然連絡が取れなくなった」
こんな状況になったら、かなり焦ると思います。
- メールを送っても返信がない
- 担当者が退職してしまった
- 制作会社そのものがなくなっていた
- サイトの修正を頼みたいのに、誰に頼めばいいか分からない
- サーバーやドメインの契約がどうなっているのか分からない
- ソースコードがどこにあるのか分からない
私自身、開発の仕事を長く続ける中で、こうした「前の開発会社と連絡が取れないので、引き継いでほしい」という相談を何度も受けてきました。
このとき重要なのは、焦って次の開発会社を探すことではありません。
先にやるべきことがあります。
まず「何が分からないのか」を整理する
引き継ぎ案件を難しくする最大の要因は、
システムが古いことでも、プログラムが複雑なことでもなく、「現状が分からないこと」です。
新しい開発会社に、
「前の会社と連絡が取れません。とにかく何とかしてください」
と依頼しても、すぐに修正を始められるとは限りません。
まず、
「何が残っているのか」
「誰が何を管理しているのか」
「どこまでアクセスできるのか」
を調査するところから始まります。
そこで、次の5点を確認してみてください。
1.契約書・見積書・仕様書は残っていますか?
まず探してほしいのが、以前の開発会社との資料です。
たとえば、
- 契約書
- 見積書
- 請求書
- 仕様書
- 設計書
- 打ち合わせ資料
- メールやチャットの履歴
などです。
完璧に揃っている必要はありません。
「こんな資料しか残っていないけど大丈夫だろうか?」
という状態でも構いません。
むしろ、その資料からどこまで現在のシステムを推測できるかを判断することが、引き継ぎの最初の仕事になります。
2.サーバーとドメインは「誰の名義」ですか?
ここは非常に重要です。
Webサイトが現在正常に動いていると、
「まだ動いているから大丈夫」
と思ってしまいがちです。
しかし、本当に確認すべきなのは、
そのサーバーやドメインを誰が管理しているのか
です。
確認してみてください。
- サーバーは自社で契約しているか
- ドメインは自社名義になっているか
- 管理画面にログインできるか
- 契約更新の支払いは誰がしているか
- AWSなどのクラウドを利用している場合、そのアカウントを自社で管理しているか
前の開発会社名義だった場合、注意が必要です。
今はサイトが表示されていても、契約更新が行われなければ、ある日突然アクセスできなくなる可能性があります。
「動いている=安全」ではありません。
3.ソースコードはどこにありますか?
次に確認したいのが、プログラムのソースコードです。
GitHubなどで管理されているのか。
サーバーにしか残っていないのか。
以前の開発会社しか持っていないのか。
この違いによって、引き継ぎ方法は大きく変わります。
よく、
「今サイトが動いているなら、そこから全部分かりますよね?」
と聞かれることがあります。
しかし、必ずしもそうではありません。
サーバー上に必要なコードが残っているケースもあれば、開発環境や設定ファイルなど、引き継ぎに必要なものが不足しているケースもあります。
だからこそ、
「修正できるか」「作り直した方がいいか」を、最初から決めつけないこと
が重要です。
現状を調査してから判断します。
4.焦って「全部作り直す」は危険です
開発会社と連絡が取れなくなると、
「もう全部作り直した方が早いですよ」
と言われることがあります。
もちろん、本当に作り直した方が良いシステムもあります。
しかし、私は最初から作り直しありきで考えることはおすすめしません。
既存システムを調査すると、
- そのまま引き継げる
- 一部だけ修正すれば使える
- インフラだけ移行すればいい
- 古い部分だけ段階的に置き換えればいい
というケースもあるからです。
数十万円、数百万円をかけて作り直す前に、
「今あるものを、どこまで使えるのか」
を調べる価値があります。
逆に、調査した結果として、
「これは引き継ぐより作り直した方が安い」
となることもあります。
大事なのは、最初から結論を決めないことです。
5.新しい開発会社へ丸投げする前に、現状を整理する
もう一つ避けたいのが、状況が分からないまま、
「とにかく直してください」
と別の開発会社へ依頼することです。
相手も状況が分からないため、
調査費用が必要になったり、大きめの見積もりになったりする可能性があります。
だから私は、こうした案件では、
いきなり開発するのではなく、最初に現状を整理すること
をおすすめしています。
たとえば、
「サーバーには入れる」
「ドメインも自社管理」
「ソースコードらしきものもある」
「ただしGitHubは分からない」
「仕様書はない」
ここまで分かるだけでも、次に何をすればいいかはかなり見えてきます。
「何が分からないか分からない」でも大丈夫です
実際の相談では、
「サーバーと言われても、どれのことか分からない」
という方もいます。
これは珍しいことではありません。
システムを発注した側が、技術的な構成をすべて理解している必要はないからです。
むしろ問題なのは、
分からない状態のまま、よく分からない業者に言われるがまま契約してしまうことです。
必要なのは、プログラムを書き始めることではなく、
- 現在何が残っているか
- 何が不足しているか
- 今のシステムを引き継げるか
- 修正と作り直しのどちらが合理的か
- 次に何をすべきか
を順番に整理することです。
こんな状態なら、一度相談してください
特に、
- 前の開発会社と連絡が取れない
- WordPressやWebシステムを誰も管理できなくなった
- サーバーやドメインの管理状況が分からない
- ソースコードがどこにあるか分からない
- 他社から「作り直しが必要」と言われたが、本当に必要なのか判断できない
- エンジニアではないので、何を確認すればいいのか分からない
という場合は、いきなり開発を依頼する前に、一度状況を整理することをおすすめします。
私は長年、Webシステムの開発・運用に携わり、既存システムの引き継ぎも経験してきました。
そのため、最初から「開発案件を受注する」ことを前提にするのではなく、
「今の状況なら、まず何をすべきか」
というところから一緒に整理できます。
場合によっては、
「今すぐ作り直す必要はありません」
という結論になるかもしれません。
相談したからといって、必ず開発を依頼する必要もありません。
資料がほとんど残っていなくても、
「何が分からないのか分からない」
という状態でも大丈夫です。
まず状況を聞かせてもらえれば、次に確認すべきことを一緒に切り分けます。

