MENTAの相談を見ていますと、ポートフォリオサイトを作ろうとして苦戦している人をちらほらと見ます。
私は、エンジニアを採用する側として面談した経験をそれなりに持っているのですが、正直なところ、ポートフォリオサイトの出来に感心して採用を決めた経験は一度もありません。
ポートフォリオサイトを作ることそのものは勉強になると思いますが、現場では、ポートフォリオサイト程度の規模・複雑さの機能は、何日もかけることは、あまり歓迎されません。もっと遥かに速いペースで仕事ができることが期待されています。
私が思うに、エンジニアとしてスキルアップするには、以下のことが重要です。

  1. 他人の書いたコードを大量に読む。
  2. 不具合の原因を調査し、実際に修正する。
  3. 基礎理論を学ぶ。(表層的なテクニックではなく)

実のところ、1と2は、現場に入ることで実行可能となります。仕事の外で、オープンソースのコードを読むことも悪くはありませんが、オープンソースのコードは、現場のコードにありがちな「しがらみ」成分が低いので、私は現場のコードの方が勉強になると感じます。
そして3は、自分なりに必要を感じてから読む方が、理解が深くなると思います。その必要を感じる原点は、現場での失敗経験から出てくることが多いと思うのです。

私は、未経験者はポートフォリオサイトを作って就職活動するよりも、未経験者を採用してくれるSESの会社に入り、とにもかくにも現場に出ることの方が、自分を鍛えるために有益ではないかと思います。おそらく最初はテスト要員として、単調なテストの実行を任されるでしょう。そのとき、テストのNGとなった項目について、ソースコードを読んで原因を探ってみることを一定時間、やってみたら良いと思うのです。もちろん、テスト工程が遅延しているときは、そんなことをしている暇はないわけですが、テストを効率的に進めて時間を作り、その時間を使って先輩の書いたコードを読むのです。コードを読んでいくと、最初は意味がわからなかったものが、だんだんわかるようになってきます。また、人によってコードの書き方にクセがあることもわかってきます。わからない部分は、そのコードを書いた人に機を見て質問することも可能です。現場ほど、勉強の機会がある場所は少ないです。しかもお金をもらえるのです!