サイボウズにおける多様性とは(書籍:チームのことだけ、考えた/サイボウズ 青野さん)
書籍:チームのことだけ、考えたからの学び
ダイバーシティ経営との違い
- ダイバーシティ経営では、現在の自社は画一的で多様性が欠けていると考えるところから始める。
- そこで女性の管理職比率を高めたり、外国人の採用数を増やしたり、英語を公用語にしたりしながら、組織の中に多様性を作り出すとする。
- この発想では「日本人」や「男性」は1つのカテゴリであり、多様性のない塊として扱われる。
- 経営者が意図するダイバーシティの完成形を目指して、号令とともに推し進めるこのやり方は、多様性とは異なる画一性である。
サイボウズにおける多様性とは
- すでにサイボウズには十分ダイバーシティが存在すると考える。
- 目の前にいる従業員がそもそも一人ひとりまったく違う存在だと考えて、彼らの個性を制限している障壁を取り除いていく。
- 既に社員は多様であり、それを一律的な規則で働かせるのをやめる
- その結果、今いる社員がより自分らしく働けるようになる。そして、以前は受け入れられなかった人を採用し、活躍の場所を作れるようになる。
- ダイバーシティよりインクルージョン(包括性、一体性)に近い。要するに、個性を受け入れる力。
多様性を実現するためのマネジメント
- 組織のミッションに共感していることが、必須条件。多様性を認めるからといって、何をやっても良いというわけではない。
- サイボウズにおいては「チームワークあふれる社会を創る」というミッションに共感していることが、必須条件。
- 共感の度合いによって、組織との距離が変わる。
- マネジメントする側は、対象の人がどの距離で付き合いたいかを確認しながら、距離に応じた制度を用意しなければいけない。
- 普通の会社は、正社員全員に対して同じ制度を適用し、同じ働き方を強要している。そして、その要件から少しでもはみ出しそうになれば、社内に置けない人として排除している。