(本稿は2024年に掲載したものの再掲です。)

以下の記事が目に留まりました。

「12年間一度も転職を考えなかった」グーグルエンジニアが今、蓄電池に注ぐ情熱
https://type.jp/et/feature/26741/

>今回インタビューしたのは、グーグル日本法人で長く検索エンジンの開発に携わってきた山内暁さんだ。山内さんは2022年、突如退職し、まだプロダクトさえなかったエネルギー領域のスタートアップ・パワーエックスに一号エンジニアとしてジョイン。
>以来、ソフトウエア開発部門のトップとして、大型蓄電池の製造・出荷、法人向けの電力供給、EV充電ステーション、電気運搬船などスケールの大きな同社の事業を牽引している。

蓄電池業界では知らない人はいないスタートアップ企業 パワーエックスに転職した山内さんに注目しました。

>2021年末にグーグルの元同僚だった樽石将人さん(当時パワーエックス外部CTO)から「ご飯を食べにいかないか」と誘いの連絡があって。そこで初めてパワーエックスの話を聞きました。創業から半年経っていましたがまだプランニングの段階で、これから人をとって事業を作っていくフェーズという話でした。そこから2、3カ月考えて、22年5月に入社することになりました。

元同僚のお誘いがきっかけになったと。

>一番面白いと思ったのは蓄電池です。2021年当時、蓄電池というものに着目すると、三つくらいのすごいタイミングが同時に来ていると思いました。

三つのタイミング?

>一つは単純に再エネ電源が増えていたことです。
>2021、22年はまさに蓄電池を使うことのメリットがコストを上回る「ストレージパリティ」を迎えるタイミングでした。
>2000年以降、電力市場の自由化が進んでいたことです。まず発電、小売の自由化が進み、最後に残された送配電を通じた需給調整市場の自由化も2021年に始まりました。需給の最終的なバランスは結局のところこの送配電が担っています。想定されていたより需要が多そうなら多く発電するように、逆に少なそうなら吸い込むように、電源へと指令が送られます。指令を受けて発電量を調整するのは、これまでは旧一電の電源だけでしたが、これが一般事業者にも開放されました(完全自由化は2024年4月)。

確かにそうだ!

>蓄電池に取り組むのであれば今。とはいえ、それまでのお仕事とはまったく違う分野ですよね?
>技術のカテゴリとしては自然言語処理。その基礎には機械学習、AIの技術がありますから、もちろん今も役立ってはいます。とはいえおっしゃるように、今の仕事とはあまり関係がないといえばない。実際、転職を決断したときにはまったく違う分野に行く覚悟でした。

確かにそうですね。

>1万個くらいのランダムなクエリで比べてみて、6000個で良くなっていれば、トータルでより良いアルゴリズムと判断できます。1万個で見れば6000ですが、10億個で見れば6億です。一つ一つはわずかな改善であっても、ものすごい数を足し合わせれば、それは世の中にとって大きなインパクトになる。そういう世界でずっとやってきたわけです。
>そのことに大きな価値があるのは、もちろん頭では分かっています。ですが、やはりこれだけ長くやっていると、もっと個々のインパクトの大きなことをやりたい気持ちも芽生えてきます。エネルギー、貧困問題・・・そういうクリティカルな領域で何かやりたいな、と思うようになりました。

心に響きますね。

>2021年は私自身ちょうど40歳になったタイミングでもあり、ミッドライフクライシスのようなことも関係していたかもしれません。最初に伊藤社長(伊藤正裕さん。取締役兼代表執行役社長CEO)と会ったとき、彼が同じことを言っていたのも刺さりました。もともとZOZOでCOOを務めていた人。「1円でも安く服を売るみたいなことをずっとやってきたが、子供もできて、もうちょっと切実なことをやりたいと思うようになった」と。

きっと、しびれたのでしょう。

>キーワードとして「信頼」「心理的安全性」「透明性」「民主主義」といったところを大事にしています。
>マネジャーがすべてスケジューリングして「あれをやれ、これをやれ」と仕事を投げるようなマネジメントはまったくしていません。優秀な人をとりたいと思ったらそのやり方では回らないと思います。
>スケーラビリティのことを考えても、10人だったらよくても、20人にもなれば破綻する。ですからそれとは逆に、放っておけばベストの仕事をしてくれると信じて「マネジャーをツールとして最大限使ってください」というスタンスで接しています。

40歳でここまで言える方はすごいです。

そして、最後に、新規事業君、新規事業さんたちに覚えておいたらよいと思うことを挙げます。

>そして、それと同じかそれ以上に、UIのところがすごく大事だと思っています。これからの再エネ、脱炭素の取り組みは、そういうことに興味のない人まで巻き込んで世界的にやっていかないといけない。その啓蒙まで含めてITの役割だと思っています。
>弊社が開発するEV充電のアプリでは、エネルギーの種類を選ぶことができます。従来の電力系統から来たエネルギーを選ぶこともできるし、パワーエックスで準備した再エネ100%のエネルギーを選ぶこともできる。
>このことの持つ意味とはなんでしょうか。機能として、技術として再エネを供給できるということ以上に、世の中に対して「再エネが大事だ」というメッセージにもなっていると思うんです。
>もっと単純に「再エネを使いましょう」というメッセージを出すのでもいいですし、「使うとこんなものがもらえます」というキャンペーンでもいい。さまざまな方法を用いて、フロントエンドの部分で再エネをプロモートしていく。これもまたITのミッションだと思っています。

使う人に響く、使う人が使いやすい…を実現するために、ITを使う。
こうした洞察から学ぶことは多いと思います。

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