新規事業おじさん®のつぶやき Vol.528 積水化学工業が量産化する「ペロブスカイト太陽電池」の勝算
(本稿は2025年に掲載したものの再掲です。)
以下の記事が目に留まりました。
積水化学工業が量産化する「ペロブスカイト太陽電池」の勝算
https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/849994
>積水化学工業(4204)は、次世代技術であるペロブスカイト太陽電池の量産化に踏み切る。2024年12月26日付でフィルム型同電池の量産化を決定し、2025年1月6日に日本政策投資銀行から出資を受け入れて新会社「積水ソーラーフィルム」を立ち上げる。2030年には1ギガワット級の製造ライン構築を目指すとしており、同太陽電池の市場開拓をリードする考えだ。
2030年には1GW級...動きだしましたね。
>経済産業省が2024年12月に策定した新たなエネルギー基本計画では、ペロブスカイト太陽電池を中心とした次世代太陽電池について、2040年に約20ギガワットの導入を目標とすると明記されている。家庭の電力使用量の約1割を次世代太陽電池で賄う計算だ。積水化学はいち早く次世代太陽電池の量産化にこぎ着けるべく、技術開発や投資を加速する。
2040年に日本国内で20GW。家庭の電力使用量の1割をペロブスカイト太陽電池で…相当アグレッシブなプランですね。
>今回の量産化決定の経緯について、積水化学でペロブスカイト太陽電池事業の実務責任者を務める森田健晴・PVプロジェクトヘッドは、「国の覚悟が当社の経営層に伝わり、決断につながった」と表現した。そのことを物語るのが、国による破格とも言える補助金の投入だ。
やはり、そういういことだったのですね。
>積水化学の量産化決定前日の12月25日、経済産業省が積水化学のペロブスカイト太陽電池の量産化への取り組みを「GXサプライチェーン構築支援事業」の支援対象として採択し、3145億円にのぼる総事業費の2分の1(5割)を補助金として支給することを決めた。大手企業に対しては3分の1補助(3分の1が補助率の上限)が基本とされているが、事業への取り組みの熱意が評価され、中小企業向けと同等の2分の1補助の対象となったという。
半分が国の補助…相当思い切りました。
>政府がペロブスカイト太陽電池に期待を寄せることには理由がある。すでに先行して普及が進むシリコン系太陽電池では、中国企業が世界シェアの8割以上を占め、日本企業は太刀打ちできない状態となった。原料であるシリコンの製造から太陽光パネルの組み立てに至るまでサプライチェーンをすべて押さえ、低コストでの供給体制を構築しているためだ。これに対して、国は次世代太陽電池では挽回のチャンスがあると見ている。
業界関係者でない方で御存知の方は少ないと思うのですが、ペロブスカイト太陽電池に国がこれだけつっこむ理由です。
>積水化学の加藤敬太社長は「ロール・ツー・ロール方式でのペロブスカイト太陽電池の製造技術を確立している企業は当社以外にない。重要な特許も押さえており、簡単には追随できない」と説明する。
製造技術で優位に立つという話は何度も聞いていましたが、こういうことなのですね。
>2025年1月に設立される政策投資銀の出資を受けた新会社は、製品設計や製造、販売など中核的な役割を担う。基本的な技術は積水化学が担うとともに新会社に貸与し、新会社は施工や販売のノウハウを確立し、公共施設や商業施設、オフィスビルなど幅広い分野に普及を進める。
>「今回の事業化決定を踏まえた生産ラインは2027年度に量産を開始し、2030年度のギガワット級の生産に向けて第2、第3ラインの増設を検討している。装置メーカーなど独自技術を持つ企業の出資受け入れについても前向きに考えていく」(積水化学の上脇太・代表取締役専務執行役員)
2027年からが市場への普及期になるということのようですね。
>「2030年時点で1ギガワットの量産体制が確立できれば、原料調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクルベースで見て、シリコン系太陽電池と同等のコスト水準を実現できる。2040年には太陽電池本体の価格でも同レベルが可能だ」
ライフサイクルベースで、シリコン系太陽電池と同等のコスト水準を2030年時点で…アグレッシブなプランですね。
>これまで日本企業は、シリコン系太陽電池や、液晶、有機EL、リチウムイオン蓄電池といった多くの新技術において、技術開発ではリードしながら、本格普及のフェーズで中国や韓国勢に敗退してシェアを失うという負けパターンを繰り返してきた。積水化学の加藤社長は「われわれの技術は簡単にまねできない。同じ轍を踏まないように慎重に進めていく」と説明する。
先行して技術を確立し、それをまねされないようにしていく。
これの成否はわが国のエネルギー安全保障にも大きくかかわってくると思われるものです。
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