英語を勉強する上では、文法と語彙の学習は欠かせないものです。どちらも甲乙付けがたく重要な要素ですが、ここでは多くの人が苦労しているとされる『英単語』の覚え方についてご説明します。主にその方法はふたつ。しっかり覚えるか、ざっくり覚えるかです。今回は前編として、「しっかり覚える」パターンのやり方をご紹介します。

英単語を覚えるときに、多くの人はその英単語と日本語訳を対応させて覚えようとします。もちろん、取っかかりや最初の理解として、全く未知の英単語と知っている日本語を対応させることでイメージを作ることは重要です。しかし、英語を長く勉強していく上では、このような覚え方にはデメリットがあるのです。

そのデメリットのうちのひとつに、『対応するどちらかを忘れるだけで意味がなくなる』というものがあります。例えば"canine"という単語を『イヌ科の』と覚えておいたとしても、これを一対一で対応させるだけだと、canineを忘れても『イヌ科の』という意味を忘れても、どちらにせよ単語を使うことはできなくなってしまいます。

ここでポイントになるのが、ひとつの単語からできるだけ多くのイメージと関連情報を膨らませて持っておくことです。例えばcanineの場合、次のように覚えることができます。

  • 『イヌ科の』というような意味がある。
  • 犬に関係している、ちょっと硬めの単語。
  • dogの硬い感じの単語。例えばdog foodとは言うが、canine foodとはあまり言わない。
  • ちなみに『ネコ科の』はfeline。
  • felineには『ずるい』や『狡猾な』という意味がある。猫だからか。
  • 発音が少し特殊。ケイナイン。
  • K9と言えば、軍用犬や警察犬のこと。

このように複数のイメージと関連情報を持っていれば、その単語を引き出すための"取っ手"をそれだけ多く持っているということにもなります。これ以外にも、類語、反対語なども一緒に覚えておき、それぞれの違いなども確認しておくと良いでしょう。

しかし、質より量を取りたい場合もあるもの。次回は、英単語をざっくり覚えたいという場合にどのように勉強するのが良いかということについて考えます。