PHPの変数

本章ではいよいよ変数について学んでいきます。

(前章:PHP入門第1章『PHPとは』

変数はプログラミングの主役といっても過言ではありません。どのようなプログラムでも、変数は必ずと言っていいほど使われているものです。

変数の宣言と代入

変数とは値を入れておく箱のようなものです。箱の中身はあとから変更したり、自由に取り出すことができます。

PHPの変数は $ のあとに好きな名前をつけて「定義」することができます。また、代入演算子 = を使って変数に値を「代入」することができます。

$変数名 = 値;

次のシンプルなコードで変数の働きを確かめてみましょう。

<?php
  $first_name = "花子";
  $last_name = "山田";
  print $last_name . $first_name . PHP_EOL;

  $last_name = "鈴木";
  print $last_name . $first_name . PHP_EOL;
?>

これを実行すると

山田花子
鈴木花子

と出力されます。

$last_name には「山田」が代入されていたので、最初のprint文では「山田花子」と出力されました。しかしその後、 $last_name には「鈴木」という別の値が代入されました。その結果、2回目のprint では「鈴木花子」と表示されたのです。 一方 $first_nameの方は最初に「花子」が代入されてから特に変化はないので、2回目でもそのまま「花子」と出力されています。

このように変数は、

  • 中身の値を変えることができる
  • 何度でも使い回すことができる

という特徴を持っています。
なお変数とは関係ないですが、上記のコードに登場する次の2つのことも同時に覚えておくとよいでしょう。

  • ドット . は文字列同士を連結させる働きをします。
  • PHP_EOLはコンソールで「改行」を出力します。

練習問題1

variable.phpを次のように修正しましょう。

  1. 新たに変数 $middle_name を宣言して、 キャサリンという値を代入してください。
  2. $middle_nameを連結させて鈴木キャサリン花子と出力されるようにしてください。

練習問題2

  1. variable-calc.phpという名前でファイルを新規作成してください
  2. $num1という名前変数を宣言して、 5 という数値を代入してください。
  3. 同様に $num2 という名前の変数を宣言して、数値の8を代入してください。
  4. その後、この2つの変数同士を「足し算」した結果を print文で出力してください。

ヒント
変数同士の足し算は、普通に + を使って行うことができます。

変数の命名規則

変数には好きな名前をつけることができますが、いくつかの決まりごとがあります。

  • 最初に必ず $ をつけて、その後に名前をつける
  • 変数名に使えるのは「文字」「数字」「_(アンダーバー)」だけ
  • 数字からはじまる名前はつけられない
  • アルファベットの大文字と小文字は区別される
<?php  
  $hensu_1; // OK
  $Hensu_1; // OK
  $1_hensu; // NG
  $hensu-1; // NG
  $hensu&1; // NG
  $変数; // OK
<?

日本語も使えますがおすすめはしません。特別な理由がない限りアルファベットと数字とアンダーバーを使うようにしましょう。

定数について

定数とは、一度宣言するとその後は値の更新ができない値のことをいいます。
変数は代入を繰返して値を変えることができましたが、定数は再代入できません。
プログラム中で書き換えられてしまうと困るような値は定数を使用します。

定数には $ をつけません。また、慣習的に全て大文字で名前をつけ、単語と単語の区切りに _ アンダーバーを用います。

<?php
  const SITE_NAME = 'Newmonz'; // 定数の宣言と代入
  define('SITE_URL', 'https://nwemonz.jp'); // define()関数で定義することもできる

  const SITE_NAME = 'ニューモンズ'; // 再代入できないためエラーになる
?>

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