自動化は、壊れる。— 847回の障害対応記録
これはノウハウ記事じゃないです。現場の事故報告書です。
「仕組み化しました!効率アップ!」みたいな記事は山ほどある。でもそういう記事には絶対に書かれていないことがある。仕組みは、壊れる。
深夜に止まる。相手のサービスが突然変わる。「動いてるはず」と思って寝たら、朝起きて処理が0件。
僕はこの1年半、847回壊して847回直してきました。使えるところだけ持って帰ってください。
失敗 1:「動いてるはず」で寝たら、朝0件だった
仕組み化で一番怖いのは、壊れてることに気づかないこと。
毎日の作業をパソコンに任せて、夜中に自動で動くようにした。「朝起きたら全部終わってる」と思って寝た。
朝起きたら、何も終わってなかった。
「…は?」(そのときの僕)
原因は、相手のサービスが夜中にメンテしていたこと。僕の仕組みは「相手が正常に動いてる前提」でしか作ってなかった。手作業なら「あれ、開けない」ってすぐ分かる。でも自動だと「動いてるはず」が一番の敵になる。
▶ 持ち帰りポイント
仕組み化するなら「壊れたときの通知」がセット。LINEでもメールでもいい。「異常があったらスマホに教えてくれる」を先に作る。コツは「データが0件=何かおかしい」とアラートを出すこと。「何も起きてない」が一番怖い。
失敗 2:相手が突然ルールを変えてきた
ある日、動いてた仕組みが突然止まった。相手のサービスがログイン方法を変えたから。昨日まではIDとパスワードだけでよかったのに、急に確認コードが必要に。
事前にメールでお知らせが来てた。読んでなかった。
メール1通読んでなかったせいで6時間の緊急対応。「お知らせメール読もう」が一番のノウハウ。ノウハウと呼ぶのが恥ずかしいレベルだけど、事実。
▶ 持ち帰りポイント
相手のサービスは「変わる」のが前提。仕組み化は「一回作って終わり」じゃない。でも「変わったとき数時間直す」のと「毎日4時間手作業」は比較にならない。年に数回のメンテで月100時間浮くなら圧倒的にお得。
失敗 3:同じ対応を47回やって、心が先に壊れた
仕組み化を始めた本当の理由は、技術的なことじゃなくてメンタル。
毎日来る問い合わせ。1日47件。その8割が同じ内容。同じ質問に同じ返答を47回。1件3分として2時間21分。
1ヶ月目の僕:「丁寧に対応しよう!」
3ヶ月目の僕:「…」
3ヶ月で返信の丁寧さが目に見えて落ちた。疲れるとイラッとした言い方になる。お客様は何も悪くないのに。問題は「47回同じことをやる」という構造そのものだった。
AIに下書きを任せた。パターンを分類して、それぞれに返信文を自動生成。僕は最終チェックだけ。
結果、AIの方が丁寧だった。 悲しいけど、機械は疲れない。夜中でもテンションが変わらない。
▶ 持ち帰りポイント
「8割同じパターン」に気づいたら、それが仕組み化のサイン。全部任せなくていい。「下書きは自動、最終判断は自分」が一番安全。 100%自動を目指すと失敗する。90%自動+10%自分の目が正解。
失敗 4:最大の敵はコードじゃなくて「物理」だった
一番想定外だった壁。プリンター。
印刷を自動化した。データ取得→ラベル作成→プリンターに送信。完璧な流れ。のはずが、夜中にプリンターが勝手にオフラインになる。
3週間調べた。配線、ドライバー、設定、全部確認した。
結論:パソコンが「このプリンター反応遅いな」と判断して、親切心で勝手にオフにしてた。
3週間後の僕:「犯人、お前かよ」
▶ 持ち帰りポイント
敵は画面の中だけじゃない。回線が切れる、PCがスリープする、プリンターが止まる。物理世界は容赦なく仕組みを壊しにくる。対策:「壊れたら自動で直す仕組み」をもう1個作る。 仕組みを見張る仕組み。これで深夜の障害がゼロになった。
847回壊れて分かった5つのこと
Before: 毎日4時間。同じ作業で1日が終わる。
After: 朝15分のチェックだけ。空いた時間で本業に集中。売上1.4倍。
- 壊れたら通知を出せ。 「朝起きて気づく」が一番怖い
- 1回で成功する前提で作るな。 相手が止まってる想定をしろ
- 100%自動を目指すな。 90%自動+10%自分の目が最強
- 相手は変わる前提で作れ。 仕様変更は必ず来る
- お知らせメールは読め。 地味だけど一番大事
仕組み化は「サボり」じゃない。壊して、直して、また壊して、また直す。
でもその先に、「朝のコーヒーをゆっくり飲める生活」 がある。月120時間が23時間になった僕が言うんだから、間違いない。
— 847回壊して、847回直した。 —

