会社員デザイナー10年、フリーランス3年目のしのこです。
ShIn-Designという屋号で3年ほど、個人事業主として活動しています。

わたしは現在、業界経験の浅いデザイナーの卵たちの相談をよく受けています。
その時に思い出した、わたし自身の後悔を彼らにしてほしくないのできなかったことを書くことにしました。

この記事は

●デザイナー歴の浅い方
●久々に新人の頃の感覚を思い出したいベテランデザイナーの方

そんな方々に読んでほしいです。

1. 先輩に聞けなかった

新卒の頃は制作会社にいたのですが、「先輩に聞く」ことができませんでした。
今考えると割とありがち、そして後から問題になりやすくなる事象です。

ただクリエイティブ業において、
人に聞く、人から盗むことがどれだけ大切だったか。
若い子達を見て教えるにつれ、その大切さを本当に感じるようになりました。

また、教える立場になると素直に「聞いてくれる」のはとても大きいなと感じます。
何がわからないのかこちらも分かるし、精一杯技術を伝えたいなというマインドにさせてくれます。

一方で、言えないから言わない姿勢に見られていることもあることもわかるので、
やっぱり聞けるなら聞いた方が得だなと感じます。

2. フィードバックをもらいにいけなかった

1にも通ずるものがありますが、
もっとフィードバックをもらいにいけばよかったです。

とはいえ業務で日々フィードバックは受けていて、
それなりにフィードバックは受けていましたがあくまで「仕事」としての範疇でした。
正直なところ、自主制作や課題はあまりできていませんでした。

「自分でアプローチ方法を見つける課題」「自分の世界観を広げる課題」の
フィードバックを受けようとする姿勢はあまり無く。
(そもそも自らなんでもいいから作ればフィードバックはもらえる機会はあったはず)

ただその時、自身のしごと料は常にキャパシティを
超えていてプライベートで遊ぶ余裕もありませんでした。
ひたすらアウトプットの日々で、
何かをインプットするのも案件毎にものすごいスピードでインプットし形にする日々。
そんな中で自主制作までできたかな?と思い返すと、今でも疑問ではあります。

ただ。

基本的に先輩デザイナーは、いろんな苦労を経験しつつも結局のところ「デザインが好き」な人々です。
経験の浅い子が拙いなりにも制作した作品を見て、バカにしたりする人間性の低い方はいません。(と信じています)

そんな環境下だったのにも関わらず、デザイン好きの先輩方から話をちゃんと
聞けていなかったのではないか?と振り返ると、さみしく感じることが時々あります。

とはいえ、業務上で自らフィードバックを貰いに行く姿勢だけは崩さず、
何度でも先輩のもとに足を運んでいました。

3. 恥を捨てられなかった

とにかく恥を捨てること。
少なくとも新卒、業界未経験者はこれを大切にしてほしいです。
無知によって恥をかくことは若い年次でしかできないから。

これはただ、無知であることが恥であると言いたいわけではありません。
今のわたしも業界内で知らないことだらけです。
無知であることを受け入れてからはもったいない!と思えるようになり、
まっさきに色んな方に聞きに行けるようになりました。

ただ、「聞くことは恥」「無知であることは恥」
と思い込んでせっかくステキなデザイナーさんや
話を聞いてみたい方に質問ができないのは、すごくもったいないということ。

そして、若い年次のほうが突っ込んだ質問をしても許されるケースが多いことです。
(失礼でない限りには)ガンガン突っ込んでもその場がぶち壊れる、
みたいなことはありませんし、「勢い」だけは若いときに持てるものなので、
恥を捨てることはすごく大事です。

4. プライベートを大事にできなかった

デザインが好きで仕事にしたゆえに、
制作会社に在籍していた当時は一日の2/3は仕事に捧げてしまっていました。
おかげで土日もなかなか満足に休めず、
遊びに行く、遠出するといった「自分をリフレッシュさせる」機会を多く逃してしまっていました。

しまいには暴飲暴食(そしてお酒)に逃げてしまう日々。
当時の健康診断で肝臓の値が通常から10倍ほど膨れ上がったものを見て、
驚愕したことをよく覚えています。笑

プライベートだからこそデザインから離れる勇気をもつこと。
一方で、やると決めたことには時間を惜しまないこと。
そのメリハリをつけるために、デザインに時間を捧げすぎないこと。

矛盾しているようですが、そのバランス感覚がとても大切です。

過去の自分へ

「もし10年前の自分に声をかけるならなんてかけようか?」
そんな思いで書いてみましたがいかがでしょうか?

今も時間を忘れて、自分と闘いながら
デザインに切磋琢磨している方々に向けて。
没頭した経験も時間もとても大切で、お金に替えられません。
また、いつでも経験できる体験でもありません。

それでも、あまりに没頭しすぎて、
周りにいる存在を忘れないように。
そして、自分自身を労り、デザインと向き合うことを
忘れないでくださいね。