サッカーを通じてマネジメントのポイントを理解するVol7の記事です。Vol6はです。こちら

目次

  • サッカーからマネジメントが学べる理由
  • 鹿島のオーナーに視聴者からの質問全部聞いてみた

マネジメント

サッカーからマネジメントが学べる理由

サッカーを通じてマネジメントが学べるポイントは、以下の9つがあります。

  1. チームワークの重要性:サッカーは11人の選手で成り立っており、連携と協力が求められます。企業のマネジメントでも、部門間の連携やスタッフ間の協力が不可欠です。
  2. リーダーシップ:キャプテンや監督がリーダーシップをとり、チームを牽引します。これは、企業のリーダーやマネージャーの役割に似ています。
  3. 戦略とタクティクス:試合ごとに相手の特性や弱点に応じて戦術を組む必要があります。これは、ビジネスの戦略計画に似ている点があります。
  4. 資源の最適な活用:サッカーでは、選手のポジションや交代戦術を適切に選ぶことが大切です。企業では、人材や資金、その他のリソースを適切に配置・活用する能力が求められます。
  5. 継続的な学習と改善:サッカー選手やチームは、試合や練習を通じて常に成長し続ける必要があります。これは、企業の絶え間ないイノベーションや改善活動と共通しています。
  6. 危機管理:試合中には突発的な事態や誤算が生じることも。それをどのようにカバーし、逆転するかが求められる。これは、ビジネスの危機管理と似ています。
  7. コミュニケーションのスキル:選手同士、そして監督やコーチとのコミュニケーションは、試合の流れを良くするために非常に重要です。企業におけるコミュニケーションの重要性と同様です。
  8. 結果を出すプレッシャー:選手たちは勝利のためにプレイしますが、そのプレッシャーは企業の結果を求めるプレッシャーと似ています。
  9. ステークホルダーとの関係:ファン、スポンサー、メディアなど、多くのステークホルダーとの関係を築く必要があります。企業も顧客、株主、メディアなどのステークホルダーとの関係を築く必要があります。

鹿島のオーナーに視聴者からの質問全部聞いてみた

参考動画:【NG無し】鹿島のオーナーに視聴者からの質問全部聞いてみた【鹿島アントラーズ】♯2(リンク)

  • 本動画は、鈴木啓太 / Keita SuzukiさんのYoutube動画です。この動画では以下のようなことをメルカリ会長(当時)の小泉さんが語っています。
  • 多様性の重要性: 小泉さんは、チームにおける多様性の重要性を語っています。彼は、異なる能力を持つ人材が集まることで、チームが強くなると考えています。
  • 選手の活用: 小泉さんは、選手一人ひとりの能力を最大限に活用することの重要性を強調しています。彼は、選手を生かすためには、その選手の特性を理解し、適切な戦略を立てる必要があると述べています。
  • サッカーとビジネスの類似点: 小泉さんは、サッカーとビジネスには共通点があると指摘しています。彼は、どちらも周囲の人々を活躍させることが重要であると考えています。

マネジメントに活かせると捉えた部分

その他、色々なことが語られていますが、この動画から私が、マネジメントに活かせると捉えた部分は以下のインタビュー箇所です。
 Q.強い組織には、何が必要か?
 A.強いミッションへの共感と多様性のある人材が必要だと思っている。理由は、組織と扇の関係性は同じだと思っているから。色々な人材がチームにいて、色々な能力があって、戦うためには、能力がある人がたくさんいたほうがいい。それが多様性。ただ組織も扇と同じで、どれだけ広げられるかが重要。留め具の部分がしっかりしていないとバラバラになってしまうから留め具の部分は組織にとって「ミッション」要するに、この組織ってなんのために集まってるの?というもの強い留め具(強いミッション)があるから、扇は大きく広がるように、組織も同じだと思っている。
 Q.サッカーと経営のプレイスタイルは一緒?(小泉さんから鈴木さんへの問い)
 A.同じだと思う。どうやったら周りの人が活躍できるか?を考えなければいけない点は、サッカーも経営も同じ。その考えが、チームの勝利/経営の成功につながると信じているから(おそらくそれぞれの強みを活かすべきという考えを前提にしている)自分にスポットライトがあびなかったとしても、チームの勝利によって自分の価値もあがるだろう。

  • 補足:野球型の組織かサッカー型の組織か?
    • 野球型:監督の指示通りに動くことが義務付けられている
    • サッカー型:それぞれが状況変化に応じて判断していく組織

学びのポイント

  • ミッションの重要性
    組織のミッションは、扇の留め具のように、多様な人材や意見を統一する強力な要素である。強いミッションを持つ組織は、そのミッションに共感する多様な人材が集まりやすくなり、その結果として組織の力を最大限に引き出すことが可能となる。
  • 多様性の価値
    さまざまなバックグラウンドやスキルを持った人材が組織内に存在することで、多様な課題や状況に柔軟に対応できる。この多様性は組織の競争力を高める要因となる。
  • チームプレイの重要性
    サッカーと経営の間に描かれる比較から、個人の成功よりもチームの成功が重要であることが伝わる。特定のメンバーがスポットライトを浴びることなくても、チーム全体としての成功は全てのメンバーの価値を向上させる。
  • リーダーシップのスタイル
    野球型の組織とサッカー型の組織の比較から、リーダーシップの取り方や組織の運営方法の違いが明確化される。野球型は指示に従い、その通りに動くスタイルであり、サッカー型は各メンバーが状況に応じて独自の判断を下すスタイル。どちらのスタイルが適しているかは、組織の目的や環境によって変わる。

まとめ

  • 強固な組織を築くための核心的要素は、ミッションの明確性と多様な価値観を尊重する文化の二つに集約される。これは、扇の留め具とその羽根の関係に喩えられる。留め具、つまりミッションが強固であれば、多様な価値観を持つ羽根(人材)をしっかりと結束させることができる。組織は、そのミッションに共感し、多様な価値観を活かすことで、困難な状況にも柔軟に対応できる強靭さを持つことができる。関連ページ:価値観とは

  • サッカーのフィールドと経営の現場は、その本質において共通点を持っている。それは、チーム全体の成功を最優先する文化が求められることである。個人の成功を追い求めるのではなく、多様な価値観を理解しながら、全員が同じ方向を向き、協力して目標に向かって進む姿勢が大切である。これには、リーダーシップのスタイルも影響する。野球型の組織とサッカー型の組織が示すように、時と場合に応じて最適な運営方法を選択する柔軟性が求められる。

  • この考えを基にすれば、どのような組織であっても、共通のミッションを持ち、そのミッションを支える多様な価値観を尊重することで、強く持続可能な組織を築くことが可能となるだろう。関連ページ:価値観を特定するための手順