メンターとして登録して最初の案件を受けた時の話
今回は、Qiita AdventCalendar 2021の「MENTAについて語ろう! Advent Calendar 2021」カレンダーの記事として、投稿します。
自己紹介
FileMakerというClaris社が提供しているリレーショナルデータベースとレイアウトが一緒にアプリとして作成できるツールを活用して主に請負開発、コンサルティングをしています。
今までの仕事
FileMakerに出会う前は、割とメジャーな開発言語をそれなりに渡り歩き、開発に必要なツールも情報もほぼ無償で手に入る環境で仕事をしてきました。
なので、
・ググれば情報は手に入る
・誰かが開発してくれたツールは有償無償かかわらずどこかに必ずある
でした。
自分のHPで記事も書いていたし、なんとかかんとか開発者の祭典などによく参加していて、新しい情報の吸収ができやすかったです。
今の仕事
FileMakerと出会ったのは、こうした今までの仕事が割と大規模かつスケジュール的に子供を持つ身としてはとてもじゃないけど「子供が起きている顔を見る時間に帰ってこれない」のはこれからの人生どうなのよ?と心底疲れ果てていた頃です。
以前の仕事の時もフリーランスとして仕事をしていたので、FileMaker業界に来てからもフリーランスとして仕事をしています。
違う点は、自宅を仕事場として、受注はほぼネットからというところです。
なので、開発環境が変わっただけで、「ま、そこそこ情報は手に入るでしょ」と思っていたら、意外にもネット上に欲しい情報が出回っていないのにびっくりしました。
「あれ?業界間違えたかな?」
と一瞬焦りもしましたが、自宅で仕事をするには大規模開発がしにくいので自分でなんとかしていかなければなりません。
情報も、取得するだけでなく、「ないならネットに溢れさせればいいのだ」とQiitaでFileMaker関連の記事を以前以上に書き始めました。
上の画像はQiitaのマイページです。
見ての通り、投稿した記事の97%がFileMakerに関するものです。
こうした記事を書きながら、おかげさまでさまざまな業種のFileMaker App開発をさせていただいています。
メンターになる
メンターとして登録
MENTAに登録したのは、確認したら2021/03/13でした。
Lancersに登録しているので、Lancersページのバナーを踏んできたのが最初です。
Lancersでは主に開発案件を受けています。
開発案件の他にも、「コンサルタントして欲しい」「こういうときはどうするか教えて欲しい」「サンプルがあると嬉しい」というような相談も数多くいただくようになりました。
Lancersで時間契約で対応してもいいのですが、こうした相談に対する対応が埋もれてしまうのがなんとなく残念だな、活用できないな、と思っていたところに、MENTAの誕生です。
渡りに船でした。
メンターとして最初の依頼
Twitterなどで拡散したり話題に盛り込んだりしているうちに、最初のご依頼がありました。
現場でFileMakerを使っているとのことで、「こいういうことをしたいけどどう実装すればいいのか?」というお困り事でした。
何度かzoomやチャットでやりとりをし、サンプルも提供し、実装ができていくのをこちらから見ていると、まさに一歩一歩進んでアプリが作られていくのが眩しかったです。
それだけ、メンティーの知識も増えていき、こちらから提供したサンプルの解読や自分が設計してダメだった部分に気づいていける回数も増えていきました。
また、メンターとしても、「どう説明すればわかってもらえるか」「どのつまずきポイントが原因なのか」「余計な情報を取り払ったサンプルはどう作ればいいか」など、とても勉強になりました。
余計な情報を盛り込んでしまうと、「これはどうしてこのサンプルに必要なんですか?」と本質に行く前に解説が必要になってしまうことから、極力ポイントを絞り込んだサンプルに仕上げるように改良してお渡ししたりしました。
最初のご依頼を終えてわかったこと
FileMakerは、バリバリの開発者というよりも、社内の情シスや情シスじゃないけれど自分の部署のシステムを作っているという方が圧倒的に多いです。
そうした方の詰まっている感は、システム一筋でやってきたこちらからすると「そうか、こういうところがつまづくのか」「この知識が不足しているとこういう設計になってしまうんだな」と思ってもいないようなところで前に進めないでいることがわかってきました。
メンターとしても、過不足なく情報を提供していかにメンティーが自発的に開発を進めていけるように仕向けるか、というのが大事だな、と思いました。
これからも生かそうと思ったのは、以下の3点です。
声かけをポジティブに言い換える
メンティーさんは、初心者であることが圧倒的に多いです。
何をどこまで知っているのか、知らないところはどこなのか、「あれ知ってる?」ではなく
「こういう機能があるのですが、ご存知でしたら活用してみませんか?」
とやってみたいと思う気持ちを起こさせるような声かけにしていきました。
初心者でないにしても、知識に偏りがあると会話が噛み合わなかったりするので、知識の偏りを指摘するのではなく、
「割とこういう機能が使われています」
「意外と知らない人が多いのですが、この機能を使うと開発の短縮ができるんです」
というような言い回しにも工夫しました。
サンプルは簡易的にする
メンティーさんのお困りごとを解決するのにどうしても盛り込みすぎてしまうサンプルですが、「知りたいのはこれ」と、
1サンプル=1機能
を心がけました。
また、一つのサンプルを使いまわして追加してしまうとどこまでが基本的なことで、どこからが今回の応用なのか、というのがわかりづらくなってしまうので、ファイルを分けて提供しました。
よかった点と課題点を伝える
何でもかんでもGood!を伝えると、「これでいいのか」と止まってしまうので、よかった点と課題点をセットに話すように心がけました。
よかった点:8
課題点:2
の割合です。
「今回、この機能を使って数カ所実装できたので、クライアントの動線がスムーズなシステムになってきましたね!
リレーションシップグラフも今回はちょっと難しかったですが、理解していただけてこちらも嬉しいです。
あとは、ここのレイアウトを整えて提供できればさらにアプリとして完成度が高くなってきますね!」
というような感じです。
「これないと、アプリとしてダメです」
というようなことは言いません。
アプリとしてダメなのではなく、目的に近づくための目標地点をクリアしていることを伝えるようにしています。
MENTAでこうしていきたいという話
自分の中でMENTAの位置付け
私の中で、MENTAは学習者や現在仕事として請け負っている実務者が今以上に成長していく場所だと思っています。
単なるお困りごとを助けてくれる場所とはちょっと違うような気がします。
お困りごとを「自分で」解決することで、自信がついて仕事を進めていけるんだと思います。
メンターはその「自分で」解決するのをバックアップしていく存在だと思いますので、メンティーさんにも「理解するのはちょっと大変だったけど、わかったらなんてことなかったな。次からは自分でできそうだな」と思ってもらえるとメンターとして嬉しい限りです。
学習者と助けて欲しい現場は分けていいのか?
一方、学習者とお困りごとの現場は分けて考えていいのかな?という疑問も常にあります。
お困りごとがある、ということは、すぐに解決するには何かしらの障害があって、それが自身(メンティーさん)の知識として身に付けば乗り越えられるようなことであれば、お困りごとを一緒に解決していける、伴走できる存在としてのメンターの立場もやりがいがあっていいな、と思っています。
そこは、メンターというよりは、コンサルタントする、という意味合いの方が強いような気がしますが、どこまで伴走するかによるのかもしれません。
増やしていきたい案件
現在は、お困りごとを解決するような案件が多いのですが、今後はシステムを仕上げるのに足りない点は何かというようなメンティーさんが自信を持ってシステムを世に送り出せるようなメンタリングができるといいなと思っています。
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ここまで最初の案件に関するメンターとしての気持ちを読んでいただき、ありがとうございました。
ついでと言ってはなんですが、MENTAで提供しているサービスをご紹介します。
実践的なアプリに仕上げたい、他のサービスと連携したい、というような「ハードルが上がるけれど実装したい」という方のサポートもしていますので、一度ご相談ください。
内容・金額的に、法人もしくは団体向けとなっております。
提示している時間や金額を元に、カスタマイズしたサービスの提供も可能です。
【月間サポート】1ヶ月とにかくサポートして欲しい
個人的に学習、社内でFileMaker担当になってしまったけれど、自分の学習の進み具合を定期的に見てほしい、という方は、月4回のショートアドバイスもご用意しています。
【月間サポート】月4回アドバイスが欲しい
MENTAを通して、また、今回のAdventCalendar企画で、MENTAを通してやってきたことの整理ができました。
企画、ありがとうございます。