なぜ今、デザインに“判断力”が求められているのか
なぜ今、デザインに“判断力”が求められているのか

導入|それ、自然です
それ、自然です。
いま制作してると、途中でこういう感覚が出てこない?
「これ、良いのか悪いのか分からない」
「どこまで直せば“完成”って言えるの?」
「相手に出すのが怖い。判断が決まらない」
作る手は動くのに、最後の“決める”がしんどい。
この状態って、才能の問題でも、努力不足でもないんよ。
むしろ、今のデザインの環境だと、そこで止まりやすい構造になってる。
いま起きてるのって、こういうやつ
- 参考を見れば見るほど、逆に選べなくなる
- 添削をもらうと一瞬ラクだけど、次に同じ判断ができない
- 情報を足していくほど、全体が崩れて不安になる
- 「正解がどこかにある気がして」探し続けて疲れる
これ、あなたが弱いんじゃなくて、
“判断が必要な場面”が増えたから起きてる。
構造の説明|あなたの問題じゃない
じゃあ、なんで今こんなに「判断」が必要になったのか。
順番に、構造として説明するね。
1)「作れる」だけが価値になりにくくなった
まずここ。
昔より、作れる人が増えた。
テンプレも増えた。学び方も増えた。AIもある。
だから“作れる”がゴールじゃなくなってきた。
- 以前:作れる=希少
- 今:作れる=前提(入口)
この時点で、仕事の現場が求めるものが変わる。
「作れる」人が増えた世界では、
次に差が出るのは “何を作るかを決められる人” なんよ。
つまり、判断の比重が上がる。
2)情報が増えすぎて「選べない」が起きやすい
次がこれ。今の時代、情報が多すぎる。
参考デザイン
成功事例
テンプレ
添削
ノウハウ
SNSのBefore/After
ランキング
おすすめツール
選択肢が増えるのは良いことに見えるけど、
制作の現場では逆に「迷いの燃料」になりやすい。
なぜかというと、選択肢が増えるほど
- どれが正解か分からない
- 失敗したくない
- 選んだ理由を説明できない
- 結果、決めるのが怖い
が発生するから。
ここで必要になるのが、スキルより先に
「自分の判断基準」 なんよ。
3)デザインが「見た目」より“結果”に直結するようになった
今って、デザインが“装飾”じゃなくなってきた。
LP、広告、SNS、採用、資料、サムネ…
全部「見せ方」で結果が変わる。
- クリックされる/されない
- 読まれる/離脱する
- 予約される/されない
- 応募が来る/来ない
だから、クライアント側の期待も変わってる。
「いい感じに作って」じゃなくて、
「目的に向かって整えて」が増える。
ここで必要なのは、操作テクよりも
- 目的の把握
- 優先順位
- 伝える順番
- 削る判断
- 迷わせない設計
つまり判断。
4)学習環境が“判断を外注”しやすくしてしまった
ここ、めっちゃ大事。
今の学習環境って、良くも悪くも“答えが手に入りやすい”。
- 添削してもらえる
- テンプレがある
- 正解っぽい事例がたくさんある
- 「こうすると伸びる」が大量に流れてくる
すると、制作のクセがこうなりやすい。
- 自分で決める前に、まず正解を探す
- 不安が出たら、誰かに聞いて安心する
- でも次に同じ場面が来ると、また止まる
これって、本人の性格じゃない。
環境がそうさせる。
だからこそ、今は意識して
「自分で決める練習」 を挟まないと、判断が育ちにくい。
判断の視点|こう見ると楽になる
ここで、今日の判断の切り口を1つだけ渡すね。
今日の判断の軸(1つだけ)
- 判断は「正解当て」じゃなくて「優先順位を決める作業」
これ。
判断って聞くと、つい「当てなきゃ」って思う。
- 正解の色は?
- 正解のレイアウトは?
- 正解の文字サイズは?
- 正解の構成は?
でも実務の判断は、当てるゲームじゃない。
目的に合わせて、優先順位を決める作業なんよ。
たとえば同じ“バナー”でも、目的が違えば変わる。
- とにかく目を止めたい → 太さ・対比・一瞬の分かりやすさが優先
- 申し込みを増やしたい → 不安を減らす情報の順番が優先
- 高単価商品を売りたい → 余白・信頼感・言葉選びが優先
- 採用応募を増やしたい → 仕事内容・人の空気感・安心材料が優先
つまり、どれも“正解”は違う。
だから「正解探し」をしてる限り、迷いは終わらない。
でも、判断の正体が「優先順位」だと分かると、急に楽になる。
- いまの目的は何?
- そのために最優先はどれ?
- 逆に、今は捨てる要素はどれ?
この3つが決まると、制作が進み始める。
たとえ話(1つ)
冷蔵庫に食材がたくさんあっても、
“今日の晩ごはん”が決まってないと、ずっと迷うよね。
正解の食材を当てるんじゃなくて、
「今日は何を作る日か」を決めた瞬間に、選ぶ基準ができる。
デザインの判断も同じで、まず“今日の目的”を決めると選べるようになる。
制作への接続|じゃあ制作に戻ろう
ここまで読んで、「判断力って言われても難しそう…」って感じたら、安心して。
判断力って、才能じゃない。
毎回ちょっとずつ“決め方”を固定していくことで増えるものやから。
大きい決断をする必要はなくて、
制作中の小さな場面で「優先順位」を決めるだけでいい。
今日から制作で使える“戻り場所”
迷ったら、ここに戻ってくればいい。
- いまの制作の目的は何?(1行で言う)
- 見る人は誰?(1人に絞る)
- その人に“まず”伝えたいことは何?(1つ)
- そのために、いま削るなら何?(1つ)
これだけで、判断は前に進む。
よくある勘違い(やさしく修正)
全部伝えた方が親切- 伝えるほど親切、じゃなくて「迷わせない方が親切」な場面が多い
きれいに整えたら正解- きれいは大事。でも目的が違うと“きれいの形”も変わる
自信がついたら決められる- 決める経験が増えるほど、自信が後からついてくる
いま、この制作をしている理由
あなたが今やってる制作は、作品づくりでもあるけど、もっと言うと
- 目的を読み取る
- 優先順位を決める
- 削る判断をする
- 迷わせない形に整える
この練習の場なんよ。
完璧じゃなくていい。
むしろ、完璧を狙うほど「正解探し」になって止まりやすい。
今日の締め(短く)
判断は、正解を当てることじゃない。
目的に合わせて、優先順位を決めること。
じゃあその軸で、制作に戻ろう。

