デザイン迷子は才能ではなく“判断不足”で起きている

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それ、自然です

作っている途中で、どんどん分からなくなっていく。
直しているはずなのに、良くなっている気がしない。
むしろ、触れば触るほど崩れていく気がする。

そんな「デザイン迷子」状態になることはありませんか。

「最初は良かった気がするのに、途中から迷走します」
「何を直せばいいのか分からなくなります」
「結局、全部がダメに見えてきます」

こう感じるのは、とても自然です。
デザインは正解が一つではなく、しかも“触れる場所”が多いからです。

ただ、ここで一つだけ整理しておきたいことがあります。
デザイン迷子は、才能がないから起きるわけではありません。

多くの場合、起きているのは 判断不足 です。
そして判断不足は、能力ではなく「基準がない状態」で起きます。


構造の説明

デザイン迷子が起きる背景には、共通する構造があります。
これはセンスの問題ではなく、判断の置き場所の問題です。

1)「直す場所」が多すぎて、優先順位が消えます

デザインは、いじれる箇所が多いです。

  • 文字サイズ
  • 行間
  • 余白
  • 配色
  • 写真の明るさ
  • 配置
  • 角丸
  • 強調の方法

このどれも、改善に使えます。
ただ、基準がないと、改善ではなく“迷走”になります。

なぜなら、優先順位がないまま触ると、

  • 直すたびに別の問題が出る
  • 問題が増えるほど不安になる
  • 不安が増えるほど、さらに触りたくなる

という循環が起きるからです。

迷子の正体は「触ったこと」ではなく、
触る順番が決まっていないことです。

2)目的が薄いと、正解探しが始まりやすくなります

目的が1行で言えない状態で制作をすると、判断の軸が外に移ります。

  • どれが正解か
  • どれが上手いか
  • どれが人気か

この視点が強くなると、迷子になりやすいです。
なぜなら、外の正解は無限に存在するからです。

目的が薄いほど、参考が増えます。
参考が増えるほど、選択肢が増えます。
選択肢が増えるほど、判断が重くなります。

結果として、制作が進まなくなります。

3)「足す」ことで迷子が加速します

迷子になったとき、多くの方がやってしまうのが「足す」です。

  • 情報を足す
  • 装飾を足す
  • 色を足す
  • 影を足す
  • 要素を足す

足すと、一瞬「やっている感」が出ます。
しかし、足すほど判断が増えます。

そして判断が増えるほど、基準がないと迷子が加速します。

迷子状態で必要なのは、足すことではなく
削る判断であることが多いです。

4)「良くなった」の定義がないと、永遠に触ってしまいます

判断不足の状態とは、「良い/悪い」を判定する基準がない状態です。

基準がないと、制作はこうなります。

  • 直す
  • でも良くなったか分からない
  • もう少し直す
  • さらに分からない

この繰り返しです。

逆に言えば、基準が一つでもあれば、迷子は減ります。

  • 可読性が上がった
  • 優先順位がはっきりした
  • 迷わせなくなった

こうした“判断の言葉”があるだけで、制作は前に進みやすくなります。


判断の視点

ここで、迷子から抜けやすくなる切り口を1つだけお渡しします。

今日の判断の軸(1つだけ)

  • 迷子は「才能不足」ではなく、「判断の順番がない」状態です

迷子を抜けるには、才能を増やすのではなく、
判断の順番を固定する方が効果的です。

順番が固定されると、いじる場所が“減ります”。
いじる場所が減ると、迷いが減ります。
迷いが減ると、制作は進みます。

例えるなら、掃除と似ています。
床も棚も机も同時に触ると、何をしたのか分からなくなります。
でも「床→机→棚」と順番が決まると、進んでいる感覚が出ます。
デザイン迷子も同じで、順番がないと迷います。


制作への接続

ここまで読んで、「ではどう直せばよいのか」と感じた場合、今日やるのは“技を増やすこと”ではありません。
判断の順番を短く固定して、制作に戻します。

迷子になったときのチェック順(短い4つ)

迷子になったら、次の順番で見てみてください。

  1. いちばん大事な情報は何ですか(1つ)
  2. その情報は読めますか(文字サイズ・コントラスト)
  3. 余白は足りていますか(詰まっていないか)
  4. 揃っていますか(位置・間隔・基準線)

この4つのどれかが崩れているだけで、全体が迷子に見えることがあります。
逆に、ここが整うと「才能がない」という言葉は出にくくなります。

よくあるズレ(やさしく修正)

  • 迷子=センスがない
    → 多くの場合、順番と基準がない状態です。
  • 迷ったら足す
    → 迷ったときほど、削る判断が効く場面が多いです。
  • もっと学べば抜けられる
    → 学びより先に、見る順番を固定すると抜けやすいことがあります。

最後に

デザイン迷子は、才能ではなく判断不足で起きていることが多いです。
判断不足は、基準と順番を置くことで回収できます。
では、順番を一つ固定したうえで、制作に戻りましょう。