前回の続きです。

前回は、痛みは3種類ある。
そして、その3種類はそれぞれ関与しあい、ある程度の割合存在している。
どの痛みが今はメインなのかを考える必要がある。

といったことを紹介しました。

今回は、「痛みの対処方法」をより深く考えます。

痛みの対処方法としては、


運動
マインドフルネス
などがありますが、やはり一番研究が進んでいるのは「薬」

まずは「薬の効果」を学ぶことで、「痛み」についてより深く考えられるようにしましょう。
そのあとに、「薬以外の方法」を考えていきましょう。

痛みを薬でなんとかしよう

薬には色々な効果があります。

・直接炎症を抑える薬
・痛みを抑制する薬
・過敏状態の神経を抑える薬
・痛みを抑えようとする人間本来の機能を促進する薬
・脳内麻薬のように、脳に痛みを「認知」させないようにする薬

それらを、前回お伝えした3種類の痛みと繋げて考えていきます。

まずは、いかにわかり易い痛み止めの作用図を載せておきます
image
痛みへの薬物治療 〜はなま整形外科HP〜
これはめっちゃわかり易いですね。この図を軸に、お話ししていきます

侵害受容性疼痛の薬はロキソニンなどのNSAIDsが主
図で言うと、「痛み」となっている部位のところですね。
一般的には

NSAIDs (ロキソニンやセレコックスなど)
アセトアミノフェン(カロナール)
上記の薬で、「痛み」の伝達を抑えます。

NSAIDsは「炎症を抑える作用」もありますが、副作用も多い。
アセトアミノフェンは、「鎮痛・解熱」なので炎症は抑えませんが、副作用は小さい。

子どもに「カロナール」という「アセトアミノフェン」が処方されることが多いですかね。

*ロキソニンなどのNSAIDsは胃が荒れることで有名です。
今は胃薬も一緒になっているので便利ですね

アセトアミノフェンではバファリンが有名

直接的に作用して、「侵害受容性疼痛」は抑制していきます。
「痛み」としてもっともわかり易いものですね。

神経障害性疼痛は「リリカ」が有名
神経障害性疼痛は、上記の図では「真ん中の下」のところ。

わかりずらいのですが、
「痛み」を伝達する物質をブロックする作用があります。

数年前に武田鉄矢さんのCMで浸透しましたね
あたかも、
「神経性の損傷に有効」のように書かれていますが、
微妙に違く、
「神経が過敏になっている状態」
に有効ということです。
過剰に出すぎている痛みの伝達を抑制するという薬効ですね。

心因性の痛みには、「オピオイド」だった…

図の左下に「オピオイド」と書かれています。
オピオイドとは「モルヒネ類似物質」
「脳に刷り込まれた慢性的な痛み」に対して「麻薬」を使って対処していた時代があるので、
オピオイド=麻薬といった誤った解釈もされ易いのですね。

オピオイドは、アメリカではかなり頻繁に処方されていた薬ですが
依存性が高く、かなりのリスクがあり…

オピオイドクライシス

により一気に処方が減ります。

…日本で「トラムセット」がめっちゃ処方されているらしいのは気になりますが…

ということで、他の方法で痛みを抑制しようとなり、

・下降性疼痛抑制系(オピオイド以外で)
・運動療法
・認知行動療法
などが脚光を浴びてきました。

下降性疼痛抑制系とは
下降性疼痛抑制系は、わかりやすくいうと

「痛みが頭に登ってこないようにする」
ということです。

「セロトニン」が有名な物質です。
幸せホルモンとも呼ばれますよね。

となると、考えられるのが「抗うつ薬」です。

つまり、抗うつ薬は「痛み止めの作用」もあるということです。

処方される薬であると

「サインバルタ」が有名ですね。

ここでヒントになっているのが、

「幸せ」であれば痛みは感じづらいということです。

セロトニンの量を増やすということが重要になります。

薬以外で痛みを抑える方法
セロトニンを増やす方法はたくさんありますね

・太陽の光を浴びる
・適度な運動をする
・スキンシップをとる(動物でも可)
・食事でトリプトファンをとる(大豆やナッツ)
が重要ですね。

なので、「マインドフルネス」が流行っている理由もわかる気がします。

セロトニン増やして集中力を高めるだけでなく、
「痛み」もなくなればさらに仕事の効率も向上しますからね。

まとめ

痛みについての基礎知識の続編でした。

他には睡眠なども超重要

ストレスなく、適切な運動をして、旬のものを食べましょう!