食物繊維の重要性はお伝えしてきたのですが
まだまだお伝えできていません。
今回は、より具体的なお話をしていきます。

食物繊維とは何か?

一昔前は、食物繊維は「人体に不要なもの」と考えられていたのですが、
1971年にイギリス人医師のバーキッドが
「食物繊維の少ない食品、つまり高度に精製された食品の摂取量が多いと、大腸がんがリスクが高まる」
と仮説を提唱してから、注目を浴びました。
今では、「第六の栄養素」と呼ばれていますね。
ちなみに他の5つは
・タンパク質
・炭水化物(糖質)
・脂質
・ビタミン
・ミネラル
になります。

食物繊維の分類

食物繊維は以下の2つに分類されます。
・不溶性食物繊維
・水溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、「ボソボソ」「ザラザラ」した食感があり
穀物や野菜、きのこ類、マメ類、果実、海藻、甲殻類に含まれます。
特徴として、
・保水性が高い
・食べづらい
・発酵性がある
があり、
腸内環境を整える整腸効果や、腸の動きをよくしての便通促進があります。

水溶性食物繊維は、「ネバネバ」「サラサラ」した食感があり、
昆布やワカメ、こんにゃく、果物、里芋、大麦、オーツ麦に含まれます。
特徴として、
・粘着性があり胃腸内をゆっくり移動
・吸着性があり、不要なものを一緒に体外へ排出
・発酵性がある(不溶性よりも高い)
があり、
整腸作用と糖の吸収抑制効果があります。

食物繊維はどのくらい取ればいいの?

このどのくらい?
というのが難しいところです。
摂取目標は、成人男性で20g以上/日 女性で18g以上となっています。
現在の日本人は、年代別で見ても、それをクリアしている年代はほぼありません。
10~40代でかなり少なく、12g前後となっています。
なので、今よりも倍近く意識的に摂取しないといけないということになります。
そのためには、なぜ食物繊維の摂取量が減少してきているのかということを考える必要があります。

なぜ食物繊維の摂取量が減ってきているのか?

食物繊維の摂取量変化のグラフを見ると、野菜類・果物類はそれほど変化していません。
減った原因が、
・穀物
によるものです。
穀物は、お米や麦、イモ類ですね。
これは単純に
・米→パン食への転換(*大麦は食物繊維豊富だが、小麦は…)
・玄米→白米への転換
と言い切ってしまっていいと思います。

もう一度バーキッド医師の仮説
「食物繊維の少ない食品、つまり高度に精製された食品の摂取量が多いと、大腸がんがリスクが高まる」
やはりこの「高度に精製」というのがネックですね。

*最近はイモ類がにわかに人気を取り戻しているようですよ

食物繊維をどう取ればいいのか?

食物繊維量は、穀物からの摂取量減少により不足するようになっています。
ということは、
・穀物の摂取方法を変える

のが一番シンプルな方法です。

昔の摂取方法にするには、
ご飯食にして、白米から玄米へ変更する。
ですね。
ただ、これは難しい…
外食だとどうしても白米ですし、子供たちの給食も白米です。
さらに、パンや麺類が出ることも多くなりました。
そして、小麦食品は美味しいので、時々食べたくなりますよね…

なので、
家庭での穀物摂取方法を変えるとともに、
・イモ類を増やす
・野菜やマメ類を増やす
ということを意識して行うことが必要ですね。

まとめ

現代の食生活では食物繊維不足は不可避
・玄米の活用
・パン、麺類を減らす
・イモ類、野菜、マメ類の摂取

を上手に取り入れていきましょう。
最近は、大麦食品が増えているので、それを活用するのも良いですね。