新規事業おじさんのつぶやき Vol.271 うっかり「百億円の新規事業」を潰す大企業の論理
以下の記事が目に留まりました…を通り越して、釘付けになりました。
うっかり「百億円の新規事業」を潰す大企業の論理
https://toyokeizai.net/articles/-/706023
まずは導入部。
>大企業において、新規事業を立ち上げる場合には、様々な困難があります。「新しいアイデアが無い」「思った通りにことが運ばない」「既存の事業からの支援が得られない」といった困難が、その典型的な理由でしょう。
>あるいは、大企業であるが故に「手持ちの資源を使おうとして、逆にコスト高になる」「意思決定のスピードが遅くなる」など、大企業ならではのデメリットが生じてしまうことも多いものです。
はいはい。これはどこでも聞きますねえ。
>しかし大企業内での新規事業には、それより深刻な問題が存在します。それは、ようやく立ち上がり始めた新規事業の息の根をみずから止めてしまう「死の谷」が存在することです。
な…何だって???
>「莫大な資産を必要とする資産効率(ROI)の悪い事業なのではないか?」
「実はキャッシュフローが問題なのではないか?」
>でもこのケースの場合は、そういった問題もありませんでした。では何が論点だったのか。
それは、規模感の問題でした。下の図を見ると一目瞭然です。既存事業に比べて圧倒的に小さく、新規事業自体の意味を問われたのです。
うわ~。これは確かにあります。
ちょっと飛んで、最後の結論に向かいます。
>見えていなかったものは、新規事業の未来の「フルポテンシャル」だったのですから、本来ギリギリと知恵を絞るべきポイントは、現在の新規事業の四角形の広がりであり、今の新規事業の外側を可視化することです。将来の拡大可能性でもいいし、この事業の隣接領域への発展形でもいいので、魅力ある(絵空事ではない)フルポテンシャルをきっちりと示すことが肝要だったということです。
そうなんです。これなんです。
ただ、そのフルポテンシャルなるものを納得性を以て設定し、伝えることがとてつもなく難しい。
この問題に対する対処方法については、機会を改めて、取り上げたいと思います。
(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)

