新規事業に限ったことではありませんが、私たちは自社の対面顧客、すなわち、自社の売上を立てる相手のみを見て、物事を判断しがちです。

一部例外を挙げると、たとえば、自動車業界の仕事をしている組織では、自社の売上を立てる相手先である部品メーカーの先にいる自動車メーカーを見ていますが、この場合も、自動車メーカーと部品メーカーが一心同体のようなものなので、基本同じでしょう。

既存事業では、まあ、これでよいのでしょう。対面顧客との関係性をいかに強いものにして、それを維持していくことが第一銀行となることに異論はありません。

ですが、新規事業にこの発想を持ち込むと、往々にしてスタックします。

なぜなら、顧客自身が顧客の存在を認識できていないところに話を持ち込むことになるからです。

では、どういう方法があるのでしょうか?

顧客の顧客になりそうな人々を見つけることです。

その人々の課題を認識することです。

その課題に対する解決策に自分たちの新規事業はなり得るか。
なり得るのならば、どうすればよいか。

ここに書き出したことは奇をてらったものではないし、なんだ、これか!という内容のはずです。

そうなのです。

単に「プル型マーケティング」のステップを書き出しただけですから。

ですが、侮ってはいけません。

なんだ、それか!ということに思いが及ばなくて、スタックすることが往々にしてあるのです。

(本稿は2023年に公開した記事の再掲です。)画像のタイトルを入れてください