新規事業おじさんのつぶやき Vol.418 ペロブスカイト太陽電池が狙う新市場、官民協議会で見えた普及戦略
新規事業おじさんのつぶやき Vol.418 ペロブスカイト太陽電池が狙う新市場、官民協議会で見えた普及戦略
(本稿は2024年に掲載したものの再掲です。)
以下の記事が目に留まりました。
ペロブスカイト太陽電池が狙う新市場、官民協議会で見えた普及戦略
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00257/00057/
ちょっとマニアックですが、私の専門領域であるということで、ご容赦ください。
>経済産業省が2024年5月、ペロブスカイト太陽電池の普及に向けた戦略策定を目指す官民協議会(次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会)を初めて開催した。8人の有識者による委員のほか、官民で174団体がメンバーとして名を連ね、導入目標などを議論し、秋ごろには方向性を取りまとめる計画だ。
秋ごろには方向性をとりまとめるのですね。国の協議会としては、かなり速いですね。
>官民174団体と聞くと、国内製造業がオールジャパンで臨むような印象を与えるが、174団体のうち、実に自治体が137を占め、企業は37にとどまる。その中で太陽電池を生産した実績がありペロブスカイト太陽電池に取り組むメーカーはカネカとパナソニック、東芝の3社…
あっ、そうか。そういえばそうだ!と驚きました。
>これまで日本の太陽電池の開発・生産を支えてきた京セラやシャープ、三菱電機などは参加していない…こうして見ると、既存の国内太陽電池産業とは一線を画しているとも言える。
確かに、ペロブスカイトのプレイヤーとシリコン(従来型)のプレイヤーは異なるのですよね。
さらに、注目したのは、この先の記事後半部分。
>一方で、メーカー以外で民間からメンバーになっているのは交通インフラ系が多く、JRではJR東日本やJR西日本など7社のほか日本民営鉄道協会と全国空港事業者協会、このほか日本建設業連合会、住宅生産団体連合会など建設・住宅系の7団体が参加している。これらに137の自治体が加わる。
これは重要なポイントだと思います。これだけのメンバーがいると、話がまとまるのか???という懸念はあるものの、ユーザー側がマジョリティを占めている点に注目しています。
>つまり、官民協議会の役割は、ペロブスカイト太陽電池の開発製造に関わる分野で裾野を広げるというより、次世代型太陽電池の需要創出に主眼がありそうだ。そして、新たな設置場所として、まずは公共施設と鉄道・空港インフラに的を絞り、それらを所有する大口需要家と自治体、建設する事業者を巻き込むことで、初期需要を確実に確保していこうとの狙いが見えてくる。
で、記事の筆者もこう言っている。
>経産省が、ペロブスカイト太陽電池の中でもフィルムを基板にしたタイプの製品化を急ぐのは、積水化学をはじめとする日本メーカーがフィルム型で先行しており、重要な特許を押さえていることがある。加えて、ペロブスカイト太陽電池の基板に適した透明で耐久性に優れた機能性フィルムの量産においては、日本の化学メーカーが世界的にも実績があり、この分野で中国メーカーが主導権をとるのは容易でないとの読みがある。
フィルム型における技術、製造面での日本メーカーの優位性は認めつつも、それだけでは何とも…と、ずっと、思っていました。
ですが、ユーザー側からの需要創造でイノベーティブなことができるか?といったところに、日本が「ペロブスカイト太陽電池の社会実装(個別製品、原材料ではなく)」において、プレゼンスを示す存在になれるか?がかかっているように思うものであります。


