新規事業の導入時の顧客は既存市場のディスラプターを見つけることが有効という趣旨のことを何回か前に書きました。

それはわかったけど、じゃあ、実際にどうやって見つけるの?、どこにいるの?と思われる方は多くおられるような気がします。

今回は、最近、私自身が実体験したことからの気づきをご紹介したいと思います。

新規事業の市場調査をする時、業界の既存プレイヤーを大きい順に当たっていくことから始めるケースが多いと思います。今回の私のケースでも、それをやっています。

で、何が起こるか?

どうにも響かない。

それどころか、そもそも、何のレスポンスもなく、途方に暮れる。

こういうことがいくつも積み重なります。

そこから、わずかな可能性を求めて、探索の旅が始まるのですが、今回は割愛します。

ここからが、私が実体験したことからの気づきになります。

わずかな可能性を探索する旅を続けて、たどり着いたのは、「その業界」に最後発で参入したという企業でした。

その企業は世に言うデジタル系の会社と言ってよいでしょう。デジタルインフラを活用するサービスを一般消費者に提供している企業です。

ただ、「その業界」には3年ほど前に参入したばかり。ガチガチに市場の構造が固定化している市場に参入したとのこと。

その企業が目をつけたのは、「その業界」の収益が「情報の非対称性」によってもたらされていることでした。この部分に自分たちの商機があると考えて、サービス拡大を図っておられるとのことでした。

そういう企業なので、情報サービスの本質的価値を常に考えておられることがよくわかっているからだと思うのですが、私たちが立ち上げを進めているデータサービス事業の価値を理解してくれたようです。

もちろん、これだけで、事業化に向けて一気に進むということではないのですが、最初の一歩である「理解してくれる相手に出会う」ということはできたようです。

(本稿は2022年に公開した記事の再掲です。)