新規事業おじさんのつぶやき Vol.71 市場規模ではなく、市場機会規模を見る
新規事業担当をされているあなたに質問です。いきなりで恐縮ですが、ご容赦いただければと。
市場規模ではなく、市場機会規模を見る。これの意味、わかりますか。
これがピンとくる方は、いろいろ、苦労を重ねている方。社内の壁に何度もぶつかってきた方でしょう。
ピンとこない方は、ちょっと賢くなるかもしれない(本当???)機会として、おつきあいください。
新規事業の目論見、事業化プラン、収益モデル、事業規模....これらを報告する際、求められること。
市場規模は?
これをきいてくる側も、報告する側も、無意識のうちに、市場全体を置いているということはありませんか。
例を挙げます。
電気自動車向けのサービス事業を新たに立ち上げようとしています。
日本の登録車両台数は8000万台です。
このうち、2025年 EV率 ●〇%、2030年 △▲% だから...これくらいの市場規模で...
ここまでは、まあ、見解の相違、意見の対立は起こりません。
では、次に、その市場を前提として、事業規模をどう考えるか?
2025年 シェア 〇▲% 2030年 シェア ▲〇%
まあ、これもいいでしょう。
その次。市場参入戦略について。
初期市場はB2Bユーザーに集中して、事業モデルを構築、立ち上げして....
ここで、きいてくる側との対立が起こります。
B2Bユーザーの市場なんて小さいじゃないか。そんなところからやっていたら....
で、ここで考えなくてはならないことがあるのです。
では、私たちが参入する機会はどこにあるのですか?どこに見出すのですか?
市場全体規模に対して、〇▲%をまんべんなくいただくなどというシナリオはあり得ないのです。マクロ経済予測ではないのですから。
個々の企業はターゲットを定めて、そこでシェアを獲得していくわけです。みんなわかっているはずなのに、忘れがちです。
それゆえ、これを訴えたいのです。
(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)


