新規事業おじさんのつぶやき Vol.103 イノベーション普及理論をもう一度ふりかえり
新規事業担当者が押さえておきたいマーケティング理論の定番というのがあります。
その代表的なものの一つがイノベーション普及理論です。(近年は、キャズム理論と呼ばれることの方が多いですが、同じものと思ってください。)
イノベーション普及理論を短い文章で紹介しているサイトを見つけたので、まず、こちらを見て見ましょう。
ロジャースのイノベーション普及理論|幸せ経済社会研究所
新しいアイデアや新しい道具は、どのようなプロセスで社会に普及するのでしょうか。
https://www.ishes.org/keywords/2022/kwd_id003017.html
>ロジャースによると、イノベーション(新しいアイデアや行動様式、物)の採用者の数は、直線的に増加するのではなく、最初は非常に少なく、その後徐々に伸び率が高くなり、最後にまた緩やかになる」という「つり鐘」のような正規分布の分布曲線になります。
>その採用者はイノベーター(2.5%)、アーリー・アドプター(13.5%)、アーリー・マジョリティ(34%)、レイト・マジョリティ(34%)、ラガード(16%)の5つのカテゴリーに分けられます。
>ここからイノベーター(2.5%)とアーリー・アドプター(13.5%)をあわせた16%の人たちが、イノベーションを採用することが、社会に普及する上で重要と言われています。
>16%ということは、約6人に1人がイノベーションを採用していることになります。6人に1人だと、感覚的にも「あ、この人もそうなんだ!」と思える数字です。また、全員の考え方を変えようと思うと大変ですが、「まずは16%を変えればよい」と思うと、働きかけもしやすくなるのではないでしょうか。
これで、理論の概要は理解いただけるのではないと思います。
で、新規事業君、新規事業さんは、まず、イノベーターは誰で、アーリー・アドプターはどういう人で... と仮説を立てて、初期導入時のターゲットユーザーを想定して、製品、サービスの企画案を立てます.
ですが、多くのケースにおいて、起こることは???
えっ、それだけ? そんな小さな市場を相手にして、何をするの??? というリアクションに直面します.99.99999999%、直面すると言ってよいでしょう.
そこで、新規事業君、新規事業さんは途方に暮れます。
物事には順番があるのに、ステップを踏まないといけないのに、どうして、わかってもらえないのだろう???
嘆いてばかりもいられません。そういう時は状況を分析します。
上記のリアクションを返す人々はどういう人でしょうか。自分のテーマに関係なく、その人の新たな製品、サービスに対する態度を分析してみましょう。
一番多いケースはレイト・マジョリティ。次がアーリー・マジョリティです。
つまり、こういう人々は1回、2回、説明したくらいでは理解しないのです。
別に性格が悪いわけでも、頭が悪いわけでもないのです。その人の新しい製品、サービスに対する態度がそうなのです。
では、新規事業君、新規事業さんはどうしたらよいのでしょうか。
アーリー・アドプターを探し求めて、色々な人々と話をさせてもらうことです。
そして、アーリー・アドプターが見つかりましたというファクトを生み出すことです。
これは、あくまで、一つの方法にすぎませんが、私自身も実践している方法です。
新規事業君、新規事業さんはこういう方法もあるぞということを覚えておいていただければと思います。
(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)