新規事業おじさんのつぶやき Vol.231 新規事業構想を自社の独自性・優位性の観点で絞り込む
以下の記事が目に留まりました。
新規事業構想を自社の独自性・優位性の観点で絞り込む
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00443/080100032/
新規事業君、新規事業さんの相談を受けていて気づいたことですが、この種の壁にぶつかっている新規事業チームは多いのだろうと想像します。
>これは、幅出ししたソリューションのアイデアを、「実際に自社が取り組む意義が強いかどうか」「独自性や優位性を生むための源泉となるアセットを自社が保有しているか」という観点から絞り込んでいく検証作業です。
>マーケットドリブンのアプローチを中心に「顧客と課題」から構想を練っていくプロセスで事業開発を進めていくと、遅かれ早かれこの論点に行き着きます。あくまでも顧客起点で検討するため、自社が提供する意義や、独自性や優位性がないソリューションを検討してしまうリスクがあるのです。
いかがでしょうか。皆さんも思い当たるところはありませんか。
そして、記事の中で、それを回避する4つの方法が記されています。
>この課題やソリューションに自社が取り組む意義はあるのか?
>この観点は、「全社ビジョンやインキュベーション戦略との整合性があるかどうか」「自社が独自性や優位性を発揮して、継続的に利益が上げられる事業を実現できる可能性があるかどうか」の、2つの基準で判断します。
新規事業君、新規事業さんの相談を受ける際、この点を深く掘り下げましょうと申し上げることが多いですね。
一方、マネジメント層の方々はあまりに現状との整合性を意識しすぎると、新たなチャンスをつぶしてしまうことになりがちです。この点にも注意が必要ですね。
>ソリューションを提供した場合に、自社の独自性や優位性は構築できるのか?
>この観点では、自社がそのソリューションに取り組んだ際に「競合や類似・代替となるソリューションと比較して選ばれる理由が明確に存在しそうか」「独自性や優位性のある提供価値やポジショニングを実現できそうか」を検討します。
新規事業君、新規事業さんの相談を受けていて感じることが多いのですが、ベンチマーク調査を常にやり続けることが大事なのだなと思います。
ある時、集中的にベンチマーク調査をして、やれやれとなるのですが、それを踏み台として、常にベンチマークをやり続けるということが大事です。これを続けていることで、視野が広がり、洞察が深くなり....ということにもつながってきます。
>独自性や優位性の構築にあたり自社のアセットは生かせるのか?
>中長期的に独自性や優位性を維持するためには、その源泉が自社の強いアセットとひもづいている必要があります。つまり、「自社の◯◯というアセットが生かせるからこそ、この独自性や優位性が実現できる」という状態を作るのです。
「青い鳥症候群」といいますが、これに知らず知らずのうちにとらわれて、自社のアセットを生かすということが盲点となっている場面に頻繁に出くわします。人の性なのでしょう。
それゆえ、新規事業君、新規事業さんの相談を受ける際には、この点に注意を向けて、話を聞くように努めています。
>生かせるアセットは、他社が入手困難で、かつ自社で十分に利用できるものか?
>一方で、特許などの知的財産や、長年蓄積してきたナレッジやノウハウ、育成してきた人材や組織風土・文化などは他社が資金を投じても入手困難なもので、かつ比較的事業リーダーの裁量や権限において活用しやすいものの筆頭でしょう。
ナレッジやノウハウ、人材、組織風土・文化はその中にいる人々にとっては空気のようなものなので、相当意識を高めて検討しても、中の人々だけできちんと認識し、分析するのは難しいと感じます。
それゆえ、新規事業君、新規事業さんの相談を受ける際には、これらのことへの気づきを支援することを意識しています。
(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)

