外部支援を求める際、何の専門家を求めますか?
最近、ありがたいことに、本当に様々な業界の方々からご相談をいただくようになりました。今日、皆さんにご紹介したいのは、とあるサービス業の企業様からいただいたご相談の事例です。
正直なところ、私自身はこれまで、そのサービス業界とは全く縁がありませんでした。「なぜ私に?」という疑問を抱えながらお話を伺う中で、その具体的な内容が徐々に明らかになってきました。そして、思い切って「なぜ私にご依頼くださったのですか?」と尋ねてみたんです。そこでわかったことは、以下のことでした。
「自社には、業界固有の技術、強み、知見を持った専門家は多数在籍している。だが、それを(専門家ではない)顧客の課題を洞察し、理解して、顧客に価値提案できる人がいない」
解決すべきは「商材」ではなく「本質的な課題」
この言葉を聞いたとき、私は深く納得しました。なぜなら、これは私が長年にわたって、メーカーの研究開発部門が開発した新技術をいかにして市場に送り出すかということに取り組んできた経験と、全く同じ構造だったからです。
今回の事例をお伺いして、「対象となる商材が違うだけで、解決すべき課題の本質は全く同じ」であると確信しました。だからこそ、私が御支援できることを明確にお伝えできたのです。
では、「どういうことか?」もう少し掘り下げてみましょう。
自社の製品、技術、サービスに精通し、豊富な専門知識を有することは非常に重要であり、間違いなく強みの源泉です。しかし、それだけで、顧客に響く提案ができるでしょうか? 顧客の本当のニーズを捉えることができるでしょうか? 残念ながら、多くの場合、答えは「ノー」です。せっかくの素晴らしい知識や商品が、お客様にとっての**「価値」として伝わらないという現象は、そこかしこで起こっています。
必要なのは「業界経験」よりも「価値を伝える力」
今回のような事例で本当に求められるのは、「顧客に価値を伝える」ことの支援のはずです。
ですが、皆さんが外部支援を求める際、多くのケースで「自社の業界経験に加えて、課題解決の経験があって…」という支援者を求めるのを目にします。
もちろん、業界の慣習や専門用語を理解していることは、円滑なコミュニケーションの助けになるでしょう。
しかし、本当に必要なのは、「顧客に価値を伝える」ことの支援ではないでしょうか。
「顧客に価値を伝える」方法は、対象となる商材や業界が変わっても応用が利くものです。
私がお目にかかる方々の中にも、私がこれまで経験してきた業界について質問される方が多くいらっしゃいます。もちろん、私にとっても経験のある業界のお話は、より深く理解しやすく、スムーズに話を進めることができます。
その上で、私はお伝えしています。私が提供しているのは、業界別のジャンルではなく、「事業開発支援」**というジャンルで御支援を提供しています、と。
ビジネスにおける課題解決の支援を求められる際、この「顧客に価値を伝える」という視点を覚えておいていただけると、きっとお役に立つのではないかと思います。