新規事業おじさんのつぶやき Vol.211 伝統企業がカニバリを乗り越え、新事業を大成功させた方法
以下の記事が目に留まりました。
伝統企業がカニバリを乗り越え、新事業を大成功させた方法
https://diamond.jp/articles/-/325164
本稿では、以下の事例が紹介されています。
>凸版印刷は2000年代前半、社内ベンチャー制度に、電子チラシ事業が提案されたが、「うちは印刷の会社だよ」という役員の声の前に、採択されなかった。
>しかし担当者はスカンクワーク(本業以外の自主的な活動)により、電子チラシ事業のフィージビリティスタディ(実現可能性の検証)を続けた。
> シュフーを始めるにあたっては、凸版印刷の工場部門からカニバリの声が上がった。電子チラシによって印刷数が減り、設備稼働率が落ちるからであった。
凸版印刷は業界トップクラスの印刷設備を持っており、その懸念は大きかった。ちなみに印刷業界は、日本の産業の中でも稼働率がよくない業界であり、稼働率が落ちると固定費負担が重くなる問題を抱えていた。
これと似たような問題はそこかしこで目にします。それでも、凸版印刷の場合は、トップがしっかりとメッセージを発したことで、チャンスをものにできたようです。
>しかし全社的には、当時の社長がシュフーの推進を宣言したため、カニバリの声は上がりにくくなった。
そして、もう一つの業界で起こったこと。こちらも、環境変化を見誤らなかったことで生き残れた事例。
>一方社外では、新聞社でカニバリが起きた。新聞社は、販売店で折り込み広告を挟むことで収益を上げていたが、その一部が電子チラシに移行することによって、収入減に見舞われた。
しかし折り込み広告の減少よりも、新聞発行部数の減少の方が、はるかにインパクトが大きく、新聞社も時代の流れはデジタルと認識していたため、カニバリの声は大きくはならなかった。
>今日凸版印刷では、紙のチラシ事業と電子チラシ事業が併存している。
凸版印刷のケースはうまく行った事例ですが、うまくできなくて、危機に陥った。そこまで行かずとも、じり貧になっていく企業は後を絶ちません。
そうならないために、どうするのか。 どんなに時代を経ても、なくならない課題であるように思います。
その認識を前提として、自分はどうするのか? なかなか難しい課題ですね。
(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)

