新規事業担当というのは因果なものです。社内外の人々にお話をうかがう、協力をいただくお願いに回ることが業務の大半を占めます。

なのですが、どこの誰に行っても、胡散臭い輩がやって来た、面倒くさいなあという対応をされることが大変多いです。中には、心優しき方々もおられるのですが、限られた方々ですね。

そんな日々を送り、人間不信になりかけている自分自身と対峙する時間が悠久の時の流れのように思えてくるくらいまで来て、転機がやって来ます。

今日は、そんな転機が訪れた時に注意したいことを取り上げてみます。

経験者はよくわかるのですが、周りの空気が、人々の態度が変わりだす時があるのですね。

私自身は、大手企業2社社長による共同事業立ち上げの記者会見を行ったら、突然、周囲どころか、世間様の態度が一変するという経験をしました。

まあ、これは極端な例ですが、マーケットが動きだすと、それまで、迷惑そうにしていた人々が急に寄ってくる。一体、どこで聞きつけたのか?という人々が寄ってくるということが起こるタイミングがあります。

で、有益で、気づきを与えてくれる話ばかりならば良いのですが、そうはいきません。一体、何をしたいのですか?これを聞いて、何をするのですか?という話にもつきあわなくてはなりません。

こういう局面に出会った時、新規事業担当者はどうすればよいのでしょうか。

いくつか挙げてみましょう。

どんなに違うでしょう!?と思っても、断らない。

因果応報です。それまで、胡散臭い目で見られながらも、多くの人々にわけのわからない話を聞いてもらったことを思い出しましょう。

この人は何が自分の問題、課題とつながると感じて、話を聞きたいと言ってきたのか?を知る。

わざわざ、話を聞きたいと言ってくる人は、何か、自分自身の問題、課題との関連性を以て、依頼をしてきます。

そこには、私たちが気づいていない問題、課題があるのかもしれません。それを逃さないという意識を持つことは大事です。

圧倒的な行動量を以て、圧倒的な幅の広さをカバーする調査が大事。

この段階になると、次から次へと、話を聞きたいという人々が現れて、その対応でエネルギーを使ってしまいます。また、次から次へと入ってくる情報に翻弄され、流されてしまうということになりがちです。

では、それを未然に予防する方法はあるのでしょうか?

あります。

潜在顧客、潜在顧客の取引先、潜在顧客へのサービス提供者.....個別ケース毎に異なってくるのですが、要は、どういう人々が関わりを持ってくるか?を想定する。その範囲、幅を広く取ることを心がけ、網羅することを意識します。

これをやっておくことで、いろいろな人々が寄ってくる時には、自分の中にマーケットマップができていて、そのどこに位置する相手か?を瞬時で見分けられるようになります。

(本稿は2023年に公開した記事の再掲です。)画像のタイトルを入れてください