以下の記事が目に留まりました。

新規事業創出は適切なプロセスによって実現できる。「FORTH&BDS」が目指す、イノベーションの民主化とは?
https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2023/0601/

なかなか含蓄のあるメッセージがそこかしこにちりばめられている記事でした。
そうしたメッセージをピックアップするとしましょう。

>いざ新規事業を起こそうとなると仮説検証とか試行錯誤といった聞こえの良い言葉にくるまれた既存事業に最適化されたマネジメント観点のごり押しや、再現性のない無手勝流での事業開発が横行しています。

なかなか頭の痛い指摘ですね。

>漠然と、何かアイデアを出そうと始めるのではなく、自分たちの思いは何なのか、どのような事業を作らなければならないのかといういくつかのポイントについて、マネジメント側も含めて皆で徹底的に掘り下げる、握っていくプロセス。

なかなか、わかっちゃいるけど....という問題ですね。

>「グルーピングすることに全員のアドレナリンが出てしまい、微妙に似ているアイデアを統合する方向に全体が向かう。そのせいで、せっかくの良いアイデアがどんどん面白くなくなっていくという現象が起こりがちなんです。グルーピングする際、人はつい共通項を探して、結果として残るのは最大公約数的なものになっていく。でも、素晴らしいアイデアというものは他と共通していないオリジナリティーこそが大切であって、そのユニークな部分を削ぎ落とされるとたとえば『世界平和』といったありきたりな結果しか残りません。ですからアイデアの尖った部分を残しながら、同調圧力にも負けず、全員でフラットに評価していくことが重要で、『FORTH』はこのプロセスにおいて明確な手法や基準が存在しているんです」

これも頭の痛い指摘ですね。全員のアドレナリンが出てしまい....には吹き出してしまいましたが。

>自分の出したアイデアを『Our Baby』にしていくのが得策でしょう。他人の思いついたアイデアにいくら大きな価値があったとしても、初めて聞いた側にとってはなかなか理解しにくかったり共感できなかったりする場合が多い。それがユニークであればあるほど賛成しづらく抵抗感が生まれがちなものです。一方、優れたアイデアを出しても理解されないとなれば、『なぜ理解してくれないのか』と発案者は硬化するかもしれません。

これもあるあるな、本当に頭の痛い指摘です。

>ひとつのアイデアを机上に置くと、日本人の特性としてどうしても『できそうか』から検討しがちです。『こんなこと荒唐無稽すぎてできない』といった部分から評価してしまうと、ウケそうなビジネスでも、この段階で潰されてしまうケースが多い。乱暴に言えば、儲かりそうでウケそうであれば、実現可能性は最後に考えればいい。ウケそうか否かが曖昧なまま、実現可能性だけを重視してプロジェクトを実行しても意味がないですからね。

なるほど。「ウケそうか」から行くのか。確かに、この視点は抜けがちだなあと反省。

>スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクといった傑出した天才がいなくても、画期的な発案、新規事業の創出は可能だと2人は口を揃える。イノベーションは決して突発的な事象でもなければ、天才の閃きのみによって生まれるものでもないのである。

新規事業おじさんもこれを目指しています。ドラッカー博士がこう言っていました。
「歴史は名もなき人々によってつくられる」
私たち一人一人は歴史の中では名もなき人々だけれども、何かを生み出し、何かを残せたら、それは価値ある人生だったとふり返られるのではないかと思うのです。

(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)画像のタイトルを入れてください