以下の記事が目に留まりました。

「本社」から「新規事業」が育たない納得の理由
イノベーションが生まれる場所を図で考える
https://toyokeizai.net/articles/-/709063

既存企業が、「現在の」「メインの」「大事な」「収益性の高い」顧客の期待に応えて既存事業へのフォーカスを高めるあまり、新しく立ち上がる市場を軽視し、新規事業だけでなく、いずれ既存事業も失ってしまうことが多々あります。クレイトン・クリステンセンの「イノベーターのジレンマ」です。

皆さん、イノベーターのジレンマはご存知ですよね。

>もちろん、企業の中心の一丁目一番地である本社で計画され、その後成功する新事業もあるでしょう。しかし新規事業の立ち上げにおいては、企業や業界の常識に縛られず、また、既存勢力に邪魔されないよう、一定の距離を確保するほうがうまくいくと思います。

よく聞く話ですね。本文に具体的な事例と併せて紹介されています。

>シュンペーターは、イノベーションは「均衡から不均衡が生まれる過程」だと言いました。一方、別の経済学者のイスラエル・M・カーズナーは、イノベーションは逆に、「不均衡から均衡が生まれてくる過程」だと捉えます。

なかなか難しい話ですが、これは正しいと思います。

>意外に知られていないのですが、面白いことに、ユーザーもイノベーションを起こすのです。実は、ユーザーは価値を提供する相手というだけではなく、共にイノベーションを起こす仲間なのです。それを「ユーザー・イノベーション」と言います。このくだりをピックアップしたのは、「ユーザー・イノベーション」の視点が抜けていたなと気づいたからです。

>そもそもの始まりは、TOTOが洗面台(シンク)の大型化を低コストで実現したことにありました。ユーザーアンケートをしたところ「小物洗いに便利そう」という声が聞こえてきたので、小物洗いができる洗面台として売り出しました。でもこの大型シンク、ほとんど売れなかったそうです。

>そこで困ったマーケターが、買ってくれた数少ない顧客にインタビューを行ったところ、「朝、娘が会社に行く前に髪を洗っている」という声が何件か聞こえてきたのです。

>そこで、今度は「シャンプー・ドレッサー」として売り出しました。結果大成功し、「朝シャン」ブームが起こったのです。やがて洗面台は今の形へと進化していきました。この例でわかるように、大きな洗面台の価値を発見したのは、メーカーではなくユーザーだったのです。

なかなか起こるものではないのですが、こうした事例から学ぶことは多いと思います。

>皆さんが、イノベーションの新しい種を探す、あるいはイノベーションを起こせる人を発掘するということを考えた際には、ぜひこの同心円を意識して、外側の「辺境」に向かってみてください。

外側の「辺境」に向かうことの重要性はわかったかと思います。では、どうするのか?で足踏みする方は多いのではないでしょうか。

これについては、機会を改めて論じたいと思います。

(本稿は2023年に投稿したものの再掲です。)画像のタイトルを入れてください