応募者2.5倍改善、採用ページのビフォーアフター分析
応募者2.5倍改善、採用ページのビフォーアフター分析
前回の学校法人CVR140%増加の前後分析に続き、他社のWeb成果事例から、前後分析をして、一般サイトに転用できるアイデアをまとめました。
今回はロジザードのIR資料から採用ページ運用の改善成果が出たので、その時期の採用ページを具体的に調べて、どんな施策が行われていたかを深堀ってみました。ちなみに月間平均の約2.5倍、採用ページからの直接応募は約4倍を達成したとのことです。(具体は記載がないので、ここからあくまで素材から分析です)
UI視点のBefore/After
起点になった施策は、2026年2月に実施された採用サイトのリニューアルです。決算説明会資料によれば、この施策と第2四半期の採用手法再構築が重なった結果、3月の応募者総数は月間平均の約2.5倍、採用ページからの直接応募は約4倍に増加しました。

表から読み取れる変化は2つあります。
①ひとつは、ナビゲーションの導線範囲が「採用」だけに絞られたこと。
コーポレートサイト全体の主要メニューから切り離され、採用専用の構造に再編されています。
②もうひとつは、その中のコンテンツ量はむしろ増えていること(配下3→9項目、社員カードの直接展開、動画コンテンツの新設)。
「情報を絞る」のではなく、「採用に閉じた場所で、情報量を増やしながら繰り返し提示する」設計への転換だと言えます。
コンテンツ視点のBefore/After
Beforeの本文は、
「在庫×ITで経営と物流を変えていく」という事業説明や、「物流業界ってどんな仕事があるの?」という未経験者向けの業界解説など、会社を知ってもらうための情報が中心でした。
課題感
一方で、実際にそこで働く人がどんな人か、日々どんな雰囲気で働いているかという、応募を検討する人が本当に知りたい情報はほとんど書かれていません。

Afterでの変化
社員カードの直接展開、動画コンテンツの新設、「データで見るロジザード」「働き方」「制度と教育」といった配下ページの追加も、同じ空白を埋める動きとして説明できます。
- 誰が働いているのか(社員カード)
- どんな雰囲気か(動画)
- 待遇や制度はどうか(働く環境カテゴリ)
- 実績や数字はどうか(データページ)
——事業説明では答えられない、応募直前に浮かぶ具体的な疑問に個別に答えるコンテンツへの転換です。
つまりコンテンツ量の増加は闇雲な情報追加ではなく、Beforeが放置していた「候補者の意思決定に必要な情報の空白」を埋める形で起きています。会社の実績を説明するコピーから、読み手に語りかけ、仲間として迎え入れるコピーへと温度感が変わったのも、この空白を埋める動きの一部です。
転用可能な4つの型

① 施設訴求から人物訴求へ

組織の実績ではなく、そこで働く個人を主語にした画像・コピーに切り替える。ヒーロービジュアルを空間の写真から人の集合写真に差し替えるだけで、サイトの第一印象が「会社概要」から「仲間探し」に変わる。
② リンク誘導から直接展開へ

社員インタビューのような「人となり」が伝わるコンテンツは、別ページへのリンクのままにせず、トップページ内にカード形式でそのまま並べる。クリックする前に人柄が伝わることで、離脱前の心理的ハードルを下げられる。
③ CTAの一本化と常設化

問い合わせの受け皿を分散させず、達成したい1つの行動(この場合は応募)に一本化する。さらにヘッダー・フッター・フローティングバナーなど複数箇所に常設することで、露出頻度を増やし機会損失を減らす。
④ 意思決定の空白を特定して埋める

コンテンツを増やす前に、閲覧者が最終判断の直前に知りたい情報は何かを洗い出す。ロジザードの場合は「誰が働いているか」「どんな雰囲気か」「待遇・実績はどうか」が空白だった。闇雲に情報量を増やすのではなく、事業説明では答えられていない具体的な疑問を1つずつ特定し、それぞれに対応するコンテンツ(社員カード・動画・データページ)を割り当てる。
まとめ
今回のロジザードの事例は、UIの構造整理(メニューの再編・CTAの一本化)とコンテンツの人称転換(会社紹介から仲間への語りかけへ)が同時に進んだことで、応募者総数2.5倍・直接応募4倍という結果につながったと読み解けます。採用サイトに限らず、資料請求・問い合わせ型のサイトを運用している事業者にとっても、「誰の物語として見せているか」を問い直す価値のある事例です。
出典:ロジザード株式会社「2026年6月期第3四半期 決算説明資料」(2026年5月15日発表)、Wayback Machineアーカイブ(2025年1月16日時点)、ロジザード株式会社 採用サイト(現在)


