新規事業おじさん®のつぶやき Vol.532 太陽光発電パネルの寿命とリサイクル(後編)
(本稿は2025年に掲載したものの再掲です。)
前回の記事につづいて、後編を取り上げます。
太陽光発電パネルの寿命とリサイクル(後編)
https://pps-net.org/column/120735
>2012年に発効した改正WEEE指令(Waste Electrical and Electronic Equipment Directive)は、欧州連合(EU)が制定した法令で、廃電気・電子機器(WEEE)の適正な管理、リサイクル、廃棄物削減を目的とし、この指令は、埋立処分量の削減を目指しており、EU各国で法制度の整備が進み、具体的な回収・リサイクルシステムが構築されています。
いろいろな意見がありますが、いろいろなところでリサイクルが広がったのはEUの動きによるところが大であることは間違いないでしょう。
>欧州では、太陽光パネルのリサイクルシステムを構築するため、2007年に非営利団体「PV CYCLE」が設立されました。同団体は、欧州太陽光発電協会(EPIA)、ドイツソーラー産業協会、主要モジュールメーカー6社で構成され、本部をベルギーに置き、加盟企業からの会費で運営されています。
>2010年の活動開始以降、2017年末までに約1.7万トンの太陽光パネルを回収し、大規模発電所で使用される非住宅用パネルを中心に成果を上げました。また、改正WEEE指令に基づき、各国の法規制に対応した処理システムを整備し、リサイクル費用を徴収する仕組みを構築しました。これにより、埋立処分の抑制とリサイクル率の向上が実現されています。
太陽光パネルについても、いち早く、欧州でリサイクルが進んだことがわかりますね。
>PV CYCLE ドイツは、2010〜2016年に8,000トン以上の使用済みモジュールを回収し、排出枚数に応じた適切な処理プロセスを実施しています。このようにドイツではリサイクル費用までを考慮した仕組みが整備されており、太陽光パネルの廃棄物管理が効率的に行われています。このシステムは、企業の責任を明確にするとともに、リサイクルの促進と資源の循環利用を支援する重要な役割を果たしています。
ドイツでは2010年代から仕組みが整備されていたのですね。
>フランスの企業Veoliaは、欧州の環境団体PV CYCLEおよびSyndicat des énergies renouvelablesと協力し、欧州初の太陽光パネルリサイクル専門施設を設立しました。現在、この施設では年間1,800トンの使用済み太陽光パネルを処理しており、最大で4,000トンまでの処理能力が予定されています。回収された材料の95%が再利用されるという高い回収率を誇ります。
フランスでも、仕組みが確立しているということですね。
>アメリカでは、カリフォルニア州が2016年に「Solar Panel Recycling Act」を制定し、使用済みパネルの廃棄管理を適切に行う仕組みを構築しました。2021年には、太陽光パネルを「ユニバーサル廃棄物」に分類し、廃棄処理の簡素化が進みました。これにより、最大1年間の保管が許可され、有害廃棄物業者を介さずに移送できるようになり、リサイクル促進が進んでいます。この法律は、廃棄処理を効率化・低コスト化し、リサイクル施設の整備や新技術導入の促進にもつながっています。
アメリカでもリサイクル促進が進んでいるようです。
>中国では、政府主導で太陽光パネルのリサイクルインフラ整備が急速に進行中です。世界最大の太陽光パネル生産国として、使用済みパネルの増加に備え、資源回収効率向上を目指した研究開発が強化されています。「14次五カ年計画」では、シリコン、ガラス、金属のリサイクル技術向上とコスト削減が重点課題となり、リサイクル施設の整備とインフラ強化が進められています。さらに、政府はリサイクル業者に対し環境基準の遵守を求め、効率的なリサイクルを促進しています。
中国はとにかく政府主導でガンガン進む国ですが、太陽光パネルのリサイクルにも当てはまるようですね。
>現在、日本ではリサイクルインフラの整備が進んでいますが、迫り来る「大量廃棄時代」に備えるためには、現行制度の改善が急務です。自治体、企業、研究機関が連携し、地域ごとに最適化されたリサイクルモデルを構築することが、資源循環型社会の実現に向けた鍵となるでしょう。
ひるがえって、日本です。残念ながら、日本は後れを取っていると言わざるを得ません。ここに新たなチャンスを見出していきたいものですね。

