(本稿は2024年に掲載したものの再掲です。)

以下の記事が目に留まりました。

素材産業のグローバル競争力向上へ 業界の常識を覆す新たなチャレンジを
https://www.asahi.com/ads/tu/15457249?cid=pre1

弊社は総合商社グループのご支援をしているもので、総合商社の雄 三菱商事の取り組みは気になるというものです。

登壇者の所属会社について(興味の湧いた方に)は本文をご覧いただくとして、これは!と思うくだりを見ていくとしましょう。

>例えば、素材メーカーがエンドユーザーの多様なニーズを正確に把握するのは、簡単ではありません。三菱商事のネットワークを活用することで、より「顧客に求められる製品」の開発・製造につなげられればと思い、日々試行錯誤しています。
>さらに、低・脱炭素化の推進やEV化に伴う軽量化など、急速な変化への対応が不可欠な今日の素材業界において、ビジネスモデルの共創やアライアンスの検討、新規事業創出にも力を発揮しています。

商社不要論、商社懐疑論に言及する方はメーカー側だけでなく、商社の中の人々からも聞きます。
ですが、上記のくだりのようなことは商社、特に総合商社グループならではのものがあると、私は思います。

>タケサイトは、これまで廃棄されていた生コンスラッジを原料としており、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に資するものです。さらに、大気中のCO2を吸収・固定化するうえ、製造時に大量のCO2を排出する製品の代替品にもなる。まさに画期的な素材だと思っています。「生コンスラッジが出るのは、仕方がないこと」「セメントの製造にCO2が出るのは当たり前」といった既存の価値観を壊して、これからの時代にふさわしい新たな価値観を作っていきたいと思っています。

このくだりはさらっと読み流してしまいそうになりますが、これ、メーカー単独でできますか?という事例と私は捉えています。
私自身は「大手電機メーカー x 総合商社」の掛け算によって、今日、起業家になれた者ですが、拙い経験ながら、こういうことなのだよと思うものがあります。

>AIと素材開発分野で高い技術力を持つPreferred NetworksとENEOSの共同研究によって生まれた「Matlantis」は、国内を中心に多くの注目・評価をいただき導入が広がりました。PFCCでは今後、このサービスを世界に広めることを目指しています。三菱商事は、自分たちが持つ産業知見や海外ネットワーク、経営知見を生かし、PFCCのグローバルでの成長に向けて一緒に取り組みたいと考えています。圧倒的な技術力を備えたサービスの社会実装に貢献できることは、大変やりがいがあり、これも素材産業における新たな「価値」を作っている事業の一つだと感じます。

このくだりでは、三菱商事とパートナーの役割を、各々、わかりやすく語っておられますね。
3社連合によって、こういうことの実現を目指すことが可能になったということがポイントでしょう。

>トレーディングは商社の祖業ともいうべき事業であり、地域や時期、数量の「需給のアンバランス」を解消する重要な役割を果たしていることに、大きなやりがいと責任を感じます。それから、自分たちの意思決定一つで、莫大(ばくだい)な金額や製品が動くというダイナミックさも魅力の一つだと思います。
>緊張感ある金額交渉の場も国内外で数多くありますし、交渉が成立した後も年がら年中、予想外の事態が巻き起こります(笑)。船のエンジンが壊れたとか、ハリケーンで動けなくなったとか。その度に船会社やタンクターミナル会社・販売先と連携してトラブルを乗り越えていくので、大変ですが達成感も大きいですね。

総合商社はトレーディングから投資へシフトというトレンドが優勢ですが、やはり、トレーディングは経済活動そのものであり、基盤ビジネスとして大事な機能なのだと再認識させられました。

>当たり前のことですが、一つの取引の背後には数え切れないほどの人の仕事が積み重なっているのだとあらためて実感しました。感謝の気持ちでいっぱいになりましたし、ビジネスパートナーの皆さんの期待にもっと応えていきたいと強く決意しました。

新規事業に限らず、すべてのビジネスに共通することですね。
その上で、ですが、新規事業君、新規事業さんたちは、日々、このことを思い出して、ことに当たっていただければと思いました。
なぜなら、そうしないと、人間という奴は忘れてしまうからなのです。

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