(本稿は2024年に掲載したものの再掲です。)

以下の記事が目に留まりました。

「飛び地ではなく隣接領域を狙う」パナソニックCVC推進室長・郷原氏が語る新規事業開発への突破口
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/81770

>パナソニックでは、新規事業創出において既存の事業部門と外部のスタートアップなどとの連携を重視しています。しかし、事業部門は独自の運営が確立されており、外部と組んで動くことには抵抗感があるのではないでしょうか。

この問いに対する答から見ていきましょう。

>世の中にそういう見方があることは承知していますが、少々古いイメージを今だに持っていると言いたいところです。当社の事業部門は、かなり外部との連携を進めています。

なるほど。そうなんですね。

その上で、こう答えておられます。

>ただし、当社が外部のパートナーと連携した結果、大きな事業が生まれているかというと、そこはまだこれからの状況です。事業部門が外部と連携しようという気持ちは十分ありながら、結果につながるものを生み出せていないことが問題だと認識しています。

>そこは構造的な問題も大きいと思います。現在商品開発を担っている事業部の人が、そのままのマインドでスタートアップとお付き合いをしようとすると、どうしても現状の機能を強化する、性能を高める方向性に向かってしまいます。これはある意味、やむを得ないことです。
>しかし、事業部門である社内の各分社の中期的な事業計画を読むと、5年、10年先のビジョンが書かれています。そこには、現状の殻を破り、違う姿になりたいという記載があります。そうは言うものの、なかなか目の前の仕事に追われてそのための仕込みが難しいというのが現状です。

多くの会社に共通する悩みですね。

>例えば、パナソニックのキッチン家電事業は、かなり世の中の認知度も高いと思いますが、その事業の目的は、お客さまにおいしい料理を提供することです。そのためには、家電だけでなく「おいしい食材」も提供したいという声が、幾度となく社内から挙がってきています。
>しかし、当社の社員が農家の方と直接交渉して、野菜を取り扱ったり、果物の販売に乗り出そうとしたりしても、それはうまくいきそうもないということは容易に想像が付きます。なにより、農家と対等に会話ができる知識もノウハウも、当社は持ち合わせていません。

この事例はよくわかります。
電機メーカーが何しに来たの?という目で見られてしまうという問題ですね。
また、自分たちに知識もノウハウもないという問題がのしかかります。

>一方、世の中を見渡すと、農家の事情に精通しているスタートアップが、食材のダイレクト販売の事業を次々と立ち上げています。そこで、本社がCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)としてそうしたスタートアップに投資をすると同時に、事業部門はそのスタートアップと組むことで、事業領域を拡大することができるのではないかと考えています。それが、当社のCVC事業の基本的な考え方になります。

課題からの着眼点がさすがですね。

>これも、よくスタートアップが大手に「食われる」という言い方をします。先ほどの例では、食材を扱う大企業と、食材のスタートアップだったら、そういうこともあるかもしれません。
>しかし、家電メーカーと食材のスタートアップでは、それぞれの持っている能力が根本的に違います。当社がおいしい食材をお客さまに提供したいと考えていても、当社自身が直接食材の流通業になろうというわけではありません。それぞれ得意分野を持ち寄り、市場を作り出せると考えています。

スタートアップに限ったことではなく、アライアンス組成において、必ず直面する問題ですね。

>また、当社のCVCの目的は、投資先に当社の事業部門の補完を求めたり、事業部門が顧客になったりすることで投資先を支援するものとは異なります。狙っているのは、事業部門との協業によって、当社が将来目指したい新領域である「ホワイトスペース」の開拓です。そして、ホワイトスペースは既存事業から遠く離れた「飛び地」ではなく、先ほど触れたキッチン家電と食材のように、隣接した領域を指しています。
>事業部門が目指す未来のビジネスはどんなもので、どこにホワイトスペースがあるか、を絞り込むために、CVCとしてかなりのリソースを割いています。CVC室のメンバーは15名ですが、ファンド自体の運営に関わる人は5名ほどで、残り10名は、当社の5つの事業部門(分社)に各2名がほぼ専任の形で張り付いており、分社内の各事業部を巡回して、新規事業のテーマを探索しています。

しっかりと、はっきりとしたビジョンを持っていることがわかりますね。

そして、最後に、CVCの目的を以下のように語っておられます。

>私は、既存事業の部門は変わろうとしないのではなく、変わりたいと思っていても、変われないのだと思います。私たちがスタートアップとの協業を働きかけ、壁を壊して事業部門が変わるきっかけを作り、大きく育てていきたいと考えています。
>そのための仕掛けが、事業部門とのコミュニケーション強化と、飛び地ではなく、既存事業の「隣接領域」というポイントを狙う事業テーマの設定です。すでに投資している案件で、うねりを起こしつつあるものも出てきていますので、さらに力を注いでいきたいと思います。

なかなか難しいですが、本質を突いたものだと思いますね。

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