逆に迷いがあっても思考の整理が出来る人は、どんなことをしているのでしょうか。

一つは「並列思考」です。

迷いや悩み、不安感があると、そこに気を取られて他のことがおざなりになります。
そして「悩みを解決して不安が消えたらやるべきことを頑張ろう」と考えるでしょう。

ですが思考を整理出来る人は、悩みの解決や不安感の解消を優先しません。
それを抱えたまま、本来やるべきことに取り組みます。

すると、悩みや不安感は継続しますが、「本来やるべきこと」は順調に片付いていきます。
だから1日のうちにいくばくかの余裕が残ります。それは時間だったり体力だったり、思考力だったりするかもしれません。

余裕があると、人のメンタルは安定します。
メンタルが安定すると、焦ったり片寄ったりしないで思考することが出来ます。
思考するだけでなく、「今これは考えなくていいことだ」という分別も出来ます。

そうやって、悩みや不安感を抱えたまま日常の成果レベルも下げずすごすことで、自分自身を安定させ、思考を整理していきます。
悩みが解決したり不安感が軽減するのは、その結果として得られる成果かもしれません。

二つ目は「俯瞰」です。メタ認知、とも呼ばれます。

自分自身を外側から観察するスキルです。

私たちが常に抱えているのは思考だけではありません。それよりもっと強力な「感情」があります。
そしてこの感情が、思考を整理しようとしたときに茶々を入れてきます。

「そんな風に考えるなんて、他の人から変に思われるかもしれないよ」
「それはきっと失敗するんじゃないかな、だってやったことないよね」
「今そんなことしてる場合? もっとやるべきことがあるんじゃないの?」

すると思考を整理するどころではありません。だから人は感情をコントロールしようとします。
ですが感情は、コントロールしようと押さえつけるほどにこちらの集中力を奪っていきます。思考の整理どころではありません。

俯瞰するスキルは、感情をコントロールを手放します。
「今、私は怒りを感じている、ということに気付いている」
といった態度です。怒りは感じています。だけどその自分を外側から観察しているようなイメージですね。
すると「どうして怒ってるんだろう、これはいつまで続くんだろう、その間にできる事はあるだろうか」と、感情から離れた思考が働き始めます。

三つ目は「前提」を見直します。

前提とは、自分の思考・行動・選択の土台となるものです。「当たり前」だと思っている状態、ルール、法則です。
例えば「朝は7時には起きる」ことが「前提」、つまり当たり前になっているとしたら、それをベースに1日の行動予定を立てますよね。
これと同じように、仕事、人間関係、家庭に対して、自分なりの「前提」があります。

思考が迷い始めたとき、まず最初に「自分がどんな前提を持っているのか」を振り返ります。
スタート地点の見直しですね。

例えば「今週中にどうしても終わらせないといけない仕事があるけれど、他の業務や予定もあって終わる気がしない、どうしよう」と悩んでいるとします。
目の前のタスクを解決するためには、期限を延ばしてもらうとか、誰かに手伝ってもらうとかの対策を立てる対策を立てる必要があるでしょう。
ですが、そこだけで終わったら、きっと来週また同じことが起こります。
前提がそのままだからです。

前提として「頼まれたことは全部引き受ける」があるとしたら、これを見直さなければ状況は変わりません。
その上で「では自分の前提をどう変えれば、物事がスムーズに回るようになるのだろう」という思考に入っていきます。

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思考の整理とは、思考することそのものが目的にならないことが重要なのです。

では、こうしたやり方が出来るときと出来ないときの差は、どこにあるでしょうか。
一番のポイントは三つ目の「前提を見直す」ことが出来るかどうか、です。
前提は全てのスタート地点です。しかし先ほどもお話したように自分にとっての「当たり前」ですから、意識することがまずできません。

自分はどんな前提で動いているのか、に気づくと、そのほかの二つ、「俯瞰」と「並列思考」へと繋がっていきます。