なぜ人は思考の迷路にはまってしまうのでしょう。
悩んだところで仕方がない、と言いながら、悩みは止まらない。悩む、というのは際限がない状態です。そしてどこへ行きつくのかも自分では分からない、見通せない。だから悩む状態に対してネガティブになり、悩むことを忌避するようになります。

悩むこと自体が問題なのではありません。
なぜ思考の迷路にはまり込んだのか、の、構造が見えていないことが問題なのです。

1.思考の迷路にはまり込む理由

迷路にはまり込むのは、大きく分けて以下の4つの理由が考えられます。
一つずつ見ていきましょう。

①情報過多

現代人が1日で接する情報量は、江戸時代の人の1年分の情報量と言われています。
いくら道具が便利になったからと言って、これだけの情報量をストレスなく扱えるわけではありません。
次代は便利になったように見えて、実は人への負荷を増しているのかもしれません。

②選択肢の過多

情報量が増えるということは、選択肢も比例して増えていきます。
情報が増えれば世界が広がるわけですから、これも当然の流れです。
選択肢は多すぎると選ぶ側の負担になります。
10枚の服の中から1枚選べ、と言われると決定するまでに時間がかかります。2枚の内から1枚、と言われたらそれほど迷うことはないでしょう。

③正解思考

思考するのは、答えを探しているから、結論を出すため、ですよね。
その基準が「正解」、つまり「誰から見ても正しい、受け入れてもらえるもの、安全なもの」にしようとした途端、悩みは長期化します。
なぜなら学科試験とは違い、人生の悩みに「正解」は存在しないからです。

④他人からの期待

ある程度の経験を積んで立場を得ている人なら、他者からどのような期待をかけられているか、も自覚しています。
妻として夫として、親として、管理職として、経験○年のベテランとして、年長者として。
どんな答えを出すか、に、「どう思われるか」という条件が付加されるので、迷いも深まってしまいがちです。

2.なぜこの4つが思考の迷路を生むのか

それぞれに迷いを深める理由はあります。とはいえ、一つ一つは対策が取れないこともないです。
例えば情報過多なら、不要な情報源をシャットアウトすればいいし、選択肢が多すぎるならまずはそれを限定する作業を追加する、というやり方もあります。

しかし悩みの迷路そのものの発生源を探った時、本当の原因はそうしたテクニックではありません。

なぜ思考が迷路化するのか。
それは、あなたの「前提」が機能していないから、ではないでしょうか。

前提とは、自分にとっての「当たり前のルール、条件、定義、判断基準」のことです。これは人によって様々です。

「自分が気合を入れて頑張れば大抵の問題はクリアできる」
「自分しかやれる人間はいないのだから、ひとりで何とかしよう」
「今の自分の立場なら、これくらい出来て当然だ」

こうした前提を土台として、「ではどうするか」という方策を考えます。
今まではこの前提がちゃんと機能していたのでしょう。機能するとは効果を発揮するとか、役目を果たすとか、そんなイメージです。

しかしなぜかここ最近、前のような機能を果たさなくなってきた、という感覚は無いでしょうか。
可笑しいですよね。なぜならこの「前提」は、あなたの過去の経験や成功事例を元に導き出した黄金律なのです。しっかりエビデンスがあるのだから機能しないはずがない。
なのに、期待した効果が出ない。

だからあなたの悩みは複雑化し、迷路になってしまったのです。

3.思考が迷うことで、あなたに何が起きているのか

すぐに適切な解が得られないことに付随して、様々な問題が起きているはずです。

1つ目は 「停滞」。
思考が常に迷いに囚われます。一見普通に過ごしている。朝起きて会社に行って仕事して帰ってくる。だけど頭の中ではずっとこのテーマについて考え続けている。
自分の中では無為に時間だけが流れて行っているような感覚です。

2つ目は 「自己否定」。
元々の前提として、「自分が頑張れば大抵のことは何とかなる」と思っていたのに、何とかならない状態が続いているとしたら、そしてそのことをずっと悩み続けていたら、いずれは「自分の能力不足では」「もうこれ以上自分は先へ進めないのかもしれない」「頑張ったところで意味はないのかも」という思考に繋がっていきます。

3つ目は 「消耗」。
頑張ればなんとかなる、という前提のまま突き進むので、物量勝負になります。
遅くまで残業したり、休日もパソコンを開いて仕事のことを考えたり、夜もゆっくり眠れない日が続いたり。
前提に従って動いているだけなのに、心身は確実に消耗していくでしょう。

4.まとめ:思考の迷路の原因は「能力」ではなく「構造」

思考の迷路に入ってしまうのは、能力が足りないからではありません。
情報・選択肢・期待が増えた現代では、誰にでも起こり得ることです。

だからこそ必要なのは、もっと頑張ることではなく、混線している思考を一度整理することなのではないでしょうか。

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